アンアイデンティファイド ストーン(Unidentified stones)
直訳は”正体不明の石”という意味。2021年6月に南アフリカの東部の村クワラチ(KwaHlathi)の郊外でダイヤモンドの様な白色透明石が発見されてダイヤモンドラッシュのような状況に成りました。原産地で宝石種の看破をするに不十分な機材しかない場合には発見された宝石は【何であるか?】は不確定なまま売りて買い手で価格が決まって取引されます。その為このニュースが発表された6月現在では多数の白色透明宝石が宝石種未判別のまま販売されているそうです。このニュース自体凄い話ですが、宝石学が未熟だった1970年頃まで新種の宝石や初見の鉱物などは世界に多数あり、(※2021年現在も人類が手にしていない鉱物はまだまだ地球上にあるはずだとされています。)
宝石学上最も研究の進んでいるダイヤモンドですらこの状況ですので他の色石ではもっと様々な難しい事が起こっています。例えば赤色の宝石を購入しようとして検討している場合、この赤色の宝石はルビー?それとも赤い色のトルマリン?若しくはビックスバイトなどのベリルの赤い宝石?もしかしたらガーネット?それともスピネル?と言った具合に赤い色の宝石種はもっと多数存在します。そうした場合に未鑑別の宝石種をアンアイデンティファイドストーンと呼んでいます。
宝石種の看破には複数の方法が有り、それのマッチや消去を繰り返して可能性の有る鉱物を断定していきます。その為、人類が未接触の鉱物や宝石種は現在あるカテゴリーに当てはめてその鉱物種・宝石種であると判定されるか、そもそもどの分類にも当てはまらない場合はあたらしい鉱物として発表されます。宝石鑑別について詳しく中央宝石研究所のホームページをご覧ください。
ちなみに2021年にアフリカで見つかった謎の白い宝石は水晶系なのではないかと専門家の間で言われています。