Beatrice Shipley・ベアトリス・シプリーはGIAをロバートシプリーと共同で立ち上げた女性。二人はロバートがフランスに来ていた時に偶然の出会いを遂げます。ベアトレスは多才な女性でした。経済にも芸術にも長け、しかも多くの人脈も持っていたのです。ベアトレスは彼女の人脈を使って、ロバート・シプリーをルーヴィル美術館で宝石学の講師としての仕事に推薦します。ロバート・シプリーは英国ゴールドスミス協会(NAG)が提供する宝石学の通信教育に入学し宝石学を勉強し、同時に講師としてのキャリアも積み上げていくきます。
そうして宝石学を本格的にNAGのコースで学んでいく間に、自分もそうであったように”ほとんどの小売宝石商が宝石について無知である”ことに気が付きます。宝石商は販売する事だけに一生懸命で自分の扱い商材を良く知らない人たちが多かったのです。(※これは今もそうですね)この事を痛感したロバート・シプリーは教育を通じて宝石業界を専門的にする構想を持ってアメリカに戻りました。
アメリカには宝石の研究期間や教育機関は在りませんでした。GIAは米国初の宝石鑑別の組織として発足したのです。ロサンゼルスでは【ロバート・シプリーの宝石学予備コース】を立ち上げ広く生徒の募集も開始します。
ベアトレスと結婚したRobert Shipley(ロバート·シプリー)は宝石学の公演で全米を飛び回りました。その間ベアトレスは給与支払い等の事務系を担当し、様々な雑務も献身的にこなしました。事務業務の傍ら、ベアトレスは定期的に宝石や宝飾品に関して女性のグループに講義を開いて講演する様になりました。なかでもハリウッドセレブやハリウッドスター達に行った宝石や宝飾品の使い方講座は人気を博しました。まだまだ一般には宝石の使い方が浸透していなかった時代でしたのでセレブたちはベアトレスの指導によってパーティーでの振る舞いや宝石の使い方などを学んでいったのです。このようなセレブ女性間の話題がきっかけで、宝石を買う富裕層の主流客がGIAの評価した宝石に魅力を感じ惹きつけられて、GIAはこれまで以上に注目が集めるようになっていくのです。
GIAは世界中のどんな鑑定鑑別機関よりも宝石を最終的に手にする消費者に支持されていったのです。