カルテル(cartel)

ダイヤモンド業界には巨大なカルテルが存在します

カルテル(Caltel)は文字の直訳としては企業連合の意味で使われる。複数の企業が、互いの競争を避けて、利益増大を図るための協定を結ぶ事をカルテルと呼びます。ダイヤモンド業界でカルテルと言えば1881年にセシル・ローズ氏によって作り出されたダイヤモンドの中央販売体制機構デビアスグループの事を指します。

アフリカでのダイヤモンドラッシュはそれ迄のダイヤモンドの供給量を大幅に上回るものだった為に(1年間でそれ迄人類史で採掘された総量の30倍も産出した)出荷されるダイヤモンドの価格が大暴落した。その為セシル・ローズは複数の鉱山事業者に協定を持ちかけてダイヤモンドの供給量が需要とのバランス破綻を起こして価格崩壊しないようにコントロールする事を提案し、中央販売体制を整備していきます。
南アフリカ及びボツワナは共にイギリスの支配権が力強く影響出来る地であったために、この中央販売体制は本国イギリス・ロンドンに拠点を置き、そこからダイヤモンド原石を世界中に供給するという仕組み”デ・ビアスグループ”を完成させた。

ダイヤモンドのエキスパート、デビアスグループで産出した原石を研磨仕上げしています。

セシル・ローズ氏の作り出したデビアスグループはその後、アーネスト・オッペンハイマー氏によって強大な組織へと変貌し、1970年代には世界に流通するダイヤモンドの90%以上がデビアスグループのダイヤモンドとなるほどに成長した。
しかしこの支配体制は所有する鉱山の老朽化やロシアやカナダなどで発見される新鉱山の需要増の押され2000年以降徐々に支配力を失い2020年にはダイヤモンド全体の40%程度にとどまっている。しかし、後発のダイヤモンド鉱山や事業者はダイヤモンドカルテルであるデビアスの動向に合わせてダイヤモンドの需給をある程度はコントロールしている為に現在も直接的でないまでも大きな力を持つ組織である事に違いは無い。

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