意外と知られていない宝石の3条件とは
貴石(Precious Stone)ダイヤモンド等の宝石類には宝石と呼ぶにふさわしい条件が有ります。①美しい事、②希少である事、③永遠性が有る事、④携帯性が有る事。①~③は一般的に宝石の条件として挙げられます。④は含めない場合もある様です。以上4項目をすべて満たす宝石を貴石と呼びます。ダイヤモンド、ルビー、サファイヤのコランダムグループ、アレキサンドライト等のクリソベリル族、エメラルド等のベリル族がこれに含まれるため輝石分類の宝石は以上の種類となります。
ではこの3項目のうち2つを満たす方背を何と呼ぶか?というと”半分貴石”の意味で”半貴石(Semi Precious Stone)”と呼びます。例えば水晶クォーツグループの宝石アメシストやガーネット族の宝石類は①美しく②希少ですがモース硬度が7以下となる為に③永遠性というテーマでは割れや欠け傷が付くリスクが有るなど満たしていません。その為アメシストもガーネットも半貴石となります。
一般にモース硬度が7以上の宝石で価格の高いものを貴石という事も有ります。例えばエメラルドではコロンビア産が産地としても最高峰となります。これは同じエメラルドであってもコロンビア産はクロム着色なのに対して他のアフリカ産は別成分で着色していることが原因しています。コロンビア産は熱水鉱床という海底湖で結晶しますが、この時宝石表面は海水の侵入によって多くのひび割れが確認できます。コロンビア産エメラルドはモース硬度は8と十分ですが、多くのひび割れの為に割れやすく③永遠性が有ると言えば有るのですが無いと言えばないのです。
※超硬品質のコロンビア産エメラルドには表面の傷が一つもなく強度十分な個体も含まれるのです。ですがエメラルドはその成り立ちが元々希少なため高額で貴石の仲間とされています。これより価格的に下がるものを半貴石と呼ぶこともあるのですが、例えばパライバトルマリンの様に元々半貴石ですが特定の色目と産地の場合に価格が上昇して貴石として取り扱う場合もあります。宝石鑑別には国際的な決まりがあり各鑑別機関はそれにのっとって宝石類の鑑定鑑別を行っています。