ダイヤモンドの美しさを左右する重要な要素
ファンシーカラーダイヤモンドの色標記は前が補助色で後ろが実体色で表現されます。グリニッシュ・イエロー、グリーン・イエロー、イエロウイッシュ・グリーン・ピンキッシュブラウン等とても複雑に表現されます。ダイヤモンドの色原因は様々ですが残像する色と実体の色と色々がミックスされてダイヤモンドの色標記となります。
これは無色のダイヤモンドにおいてもむしろ重要な要素です。無色である事は様々に発揮されている筈の色が均一である時にも無色に見えるからです。多彩な無色はダイヤモンドにのみ表現できる色(光)なのです。
無限色と言う矛盾した色
ダイヤモンドの色は価値判断においても重要な要素です。匂いや音、肌触りの感覚と同じように、色は私たちが目で見て得られる感覚の1つです。鑑賞して美しさを楽しむ宝石類にとって色は大変重要な要素です。その色の感覚は、光が目に入ることによって得られます。つまり、色を感じる原因は光なのです。そしてその光(色)には強さの強弱と色相があり、色相は暖色から寒色へ変化するにしたがって、暖かい感じの色から冷たい感じの色へと光り方を変化させます。それを”色の暖寒感”といいます。
同じ赤い色(暖色系)の宝石でも何処か寒い感じがしたり、エメラルド(寒色)なのに燃えるような色の緑な事があるのはその為です。ダイヤモンドにもこの寒暖感は在り、同じ色目のダイヤモンドでも暗い感じとか発散してくるような明るい感じなどが有ります。寒色を含む宝石は知的なイメージ、または静かなイメージとなり、暖色を含む宝石は活発で発散するようなイメージとなるのです。
ダイヤモンドの色(光り)は複雑です。その為、GIAやデビアスでも光のパフォーマンスや輝きの優劣といった表現は今日まで避けています。一概に一つのベクトルで計算しきれないのが光であり輝きなのです。ダイヤモンドの鮮やかには、光によって作り出される色相色合いの「派手地味感」「暖寒感」が大きく影響を及ぼします。国際的に信用のある鑑定鑑別機関で輝きの優劣を取り上げないのにはこうした理由が有るのです。