ダイヤモンドの鉱山は山じゃないですよ!?

皆さんこんにちは!ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーです。今日は鉱山の話です。先日ダイヤモンドのご案内をしていると、あるお客様から【ダイヤモンドの鉱山って山じゃないんですね!】とご指摘いただきました。そう言えば私も初めて鉱山を見たとき「へぇ~~~こんな感じなんだ!」と言うのが感想でした。

と言うのも地元が新潟の私にとって思い当たる鉱山と言えば佐渡の金山くらいです。金山などの鉱脈系採掘の場合はその成分の有る地層を狙って掘っていきます。ですので、基本的には太古の地層が隆起して出来た”山”で有る事が多いのです。

露天掘りと言っても人間一人がやっと入れるような穴で有ったり、そうした地層を探すに適した穴を空けて採掘していきます。下写真は依然スリランカへ行ってサファイヤの鉱山を見学した際の写真です。色石の王様”サファイヤ”でもこんな穴を手で掘って地下へ入っていく、そんなイメージです。

1868年最初の一次鉱床が見つかる

ダイヤモンドは現在キンバーライトマグマを掘っています。地層学がまだまだ未熟だった100年前まではダイヤモンドは何処からくるのか?判っていませんでした。事実最初の一次鉱床が見つかるまではダイヤモンドはキンバーライトなどの花こう岩が堆積した場所を探して見つけていたのです。鉄などの地下資源も砂鉄を集めたり、少量の鉄鉱石の採掘は行われていましたが、大規模なパイプ鉱床の採掘は行われていなかったのです。

その為、インドやブラジルでの採掘経験からダイヤモンドを探す人たちはひたすらガーネットやキンバーライトのある土地を探して移動を繰り返すという方法でダイヤモンドを探していました。1870年頃のアフリカでは【ガーネットが見つかればその近くにダイヤモンドが有る】そんな手掛かりだけであの広大なアフリカ大陸を縦横無尽にを探し回っていたそうです。夢のある時代です。一説によると最初のダイヤモンドが発見されたオレンジ川を最初遡ってダイヤモンドを探し、十分上流まで行く前に急にダイヤモンドが取れなくなったそうです。川の堆積物の中からダイヤモンドを探していたトレジャーハンターやダイヤモンド原石のブローカーは困惑します。

そしてその堆積物が見つからなくなった場所から川をどれだけ遡ってもダイヤモンドは見つかりませんでした。最初のダイヤモンド発見からすでに20年が経過していました。堆積物の中からダイヤモンド見つける方法は他の場所でも発見が相次いでいたためオレンジ川の捜索を止めてトレジャーハンター達は別の手掛かりを探し始めるのです。

そしてある時、オレンジ川の堆積物の中からダイヤモンドが産出しなくなった地点から僅かに内陸へ入っていった場所でガーネットが発見されます。ダイヤモンドを探すトレジャーハンターたちがたどり着いた場所はガーネットとペリドット、そして風化したキンバーライトの大地だったのです。その場所は広大で見渡す限りガーネットとキンバーライトそしてダイヤモンドの地面でした。当時その場所は”デビアスさん”と言う方が運営しているのどかな牧場だったとか、後のデビアス社の社名となるこの名前は、元々の持ち主の名前から来ているという話はダイヤモンド業界で有名な逸話です。そして、トレジャーハンターの中で会社経営の手腕に特に優れていた初代社長のセシルローズはデビアス牧場を買収してこの場所を調査します。

するとこの場所は2億年前古代の火山でマグマがこの真下から噴出したまさにその場所だったのです。その時代、通常火山は硬い花こう岩に覆われた岩場で、採掘などには不向きな硬い大地である事が通常でした。しかしキンバーライトマグマは柔らかい上に脆く雨風で簡単に流され崩される性質だった為に、他の火山のような岩の山ではなく、既に風雨によって削られて山ではなく平坦な砂漠となっていたのです。

下写真はキンバーライトパイプ鉱床を縦に掘り進んだボツワナ、ジュワネングの写真です。地上部分によく見ると建物が散見されます。1つ1つ結構なサイズある建物な事はお分かりいただけるでしょうか?かなり大規模な一次鉱床です。この鉱山既に地上から700メートルも地下に掘り進んでいます。最深部では更に地下へ向けて採掘が進んでいて最終的に1100メートルまで掘り進む予定です。

という事でダイヤモンドの鉱山は山ではなく穴!なのです。

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