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ダイヤモンドの内包物:トゥイニング ウイスプ(Twinning Wisp)

皆さんこんにちは!BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。今日は先日あるお客様から頂いた質問でダイヤモンドのトゥイニング ウイスプについてという難しい質問が有りましたので解説して説明したいと思います。トゥイニングウイスプはダイヤモンド原石が育成途中に結晶内部のゆがみにより生じます。原石の繊維が受けるプレッシャー(圧力)の跡のようなもので、多くの場合良く見ると曇った様なもやもやした感じの見た目になります。これはダイヤモンド原石の成長中に同一の原石内部に別の原石が成長し始める事で起こる現象だと考えられています。という事でトゥイニングウイスプは通常は双晶のダイヤモンドで結晶面の接地個所で起こる場合が多いです。下図の様にIIDGRやデビアス鑑定の書類上ではウイスプのある位置に平行に赤い線を引きそこに垂直に短い線を交差させて表現します。

ご質問のお客様はダイヤモンドの鑑定書にこの記載が入っている場合に美しさにどの程度影響しますか?という事でした。実はBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーでは双晶面の有るダイヤモンド原石が入荷する事が稀なのでなかなか店頭ではお目にかかれません。それは1%以内迄原石の選定櫓繰り返す事で自然と排除されてしまうからなのです。トゥイニングウイスプは通常歪みの様に見えますが、原石に大きなプレッシャーがかかっていたりすると光の干渉が起こって虹色に反応していたりする場合もあります。その場所は一つの結晶に見えますが実はダイヤモンドの別々の結晶が結合している場所なので、加工の現場ではダイヤモンドの”へき開”がその場所を境に急に反転したり、別のダイヤモンドの成長線やグレインの影響を受けてしまう為、研磨できる方向が急に変化する場所でもあります。

そのため、研磨者の腕前がそれ程でもない場合は双晶面で研磨痕を残してしまったり、結晶の目の切り替え部分が判る様に仕上がってしまう恐れがあります。BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーで以前取り扱ったことのあるトゥイニングウイスプは非常に小さい微小なモノで35倍拡大でようやく確認できるレベルのモノでした。

今回お問い合わせのダイヤモンドは現物を見る事が出来ないでの何とも言えませんが、ダイヤモンドの美しさは原石の良し悪しと研磨者の腕前で決まる事を考えると。原石のレベルはそれ程でもない事は容易に想像できます。

先日も弊社の金庫から1980年代の在庫を見つけてきて思ったのですが”力のある原石”だったダイヤモンドは原石の時に持っていた美しさをそのまま引き出してあげればソレだけで綺麗なんですよね。因みにそのダイヤモンドは当たり前ですがエクセレントカットではありません。(1980年代の石なので)エクセレント開発前のダイヤモンドです。しかもアフリカが殆ど唯一の産地だった時代なので見た目にも明らかに硬く、光の跳ね返しが強いです。そして虹色の光の分散をダイヤモンド全体の輝度が高く美しいのです。美しさを阻害する要素であるトゥイニングウイスプは当然含まれません、それなりに別の結晶のダイヤモンドを内包してはいるものの見事な単一結晶です。

因みにダイヤモンドをレーザーで焼き切る囲うので居なかった1980年以前は双晶面までを見抜けないとそこから突然ダイヤモンドが加工できなくなり、それに気が付かずに強いプレッシャーをかけ続けるとダイヤモンドが割れてしまったりすることが多い厄介な内部特徴の一つとされていました。

結局ダイヤモンドの美しさはそれを取り扱う人にとって管理されていますので、信頼できるお店のダイヤモンドは一様に美しく、美しさよりも価格優先で仕入れているお店のダイヤモンドは価格は低いけど輝きはそれ程でもないという事になるんでしょうね?審美眼が無く切り込んだ仕入れルートを持たないお店は論外ですが、、、。

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