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征服されざる者

皆さんこんにちは!BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。

今日はBRIDGEでもメインで取り扱う宝石の王様”ダイヤモンド”に迫ってみたいと思います。ダイヤモンドは征服されざる者という意味のギリシャ語が語源とされています。ポルトガル語でディアマンテで有るとも言われています。ダイヤモンド、、、身近な所ではトランプのマーク♦が思い浮かぶ方も多いのではないでしょう?野球のホームから一塁二塁三塁を繋いだ形もダイヤモンドと呼ばれています。(私は小さいころ台形のホームベースの形だと思っていましたw)トランプとか野球のダイヤはそれぞれ原石の形からそう呼ばれていると想像されます。正八面の等軸状結晶形で産出するダイヤモンドをソーヤブルと呼びます、ピラミッドを底辺で二つ重ねたような形、横から見て菱形の結晶がダイヤモンドの中でも最高品質の原石であるとされています。八面結晶のダイヤモンド原石ソーヤブルの形からダイヤのマークは連想されていますね!

因みになぜ征服されざる者と呼ばれるようになったのか?というと、それはダイヤモンドの持つ比類なき硬さからであると想像されます。ダイヤモンドは炭素(カーボンCarbon)の結晶です。カーボンには4つの結びつく事が出来る電子の手と結びつきを作る4つの空白が有るので最大で4つの電子の共有した状態(共有結合)を作り出す事が出来ます。この4*2つの電子の持ち合いで炭素同士が共有結合したものがダイヤモンドです。簡単に書こうと思っても難しいですね、、、

炭素の共有結合はとても強いため、炭素原子が4ヶ所で共有結合したダイヤモンドは自然界で最も結びつきの強い物質となります。逆に結合の弱い炭素結晶は石墨(グラファイト)でこれは自然界でも最も弱い(脆い)物質の内にランクされます。不思議な事ですよね?ダイヤモンドの原材料は炭素なので地球上には無数に存在しているにもかかわらず結晶の結びつき方で硬くなったり柔らかくなったり色々という事なのです。

という事で地上に存在する最も硬い物質なので加工が一筋縄ではいきませんでした。矛盾という言葉を聞いたことが有ると思います。最強の盾と最強の矛は何方が強いか?を比べたという中国の諺ですが、ダイヤモンドも地上で最も硬い物資であるならば、これを加工するためにはこれよりも固い物質でなければ加工できませんよね?

しかもダイヤモンドには等軸状で様々な結晶の形が有ります。炭素の結びつきが共有結合ならダイヤモンドに成れるからです。ただその結晶系は必ず等軸状で螺旋状に結晶が成長します。そのためダイヤモンドの炭素原子の並び(結びつき)には木目の様なある種の方向が有ります。古代の人々はこの原石の方向を見定めて目に沿って平行になら素材としてのダイヤモンドの研磨材を使って、ダイヤモンドを加工できることを突き止めます。今から500年くらい前の話です。それまでにダイヤモンドが文献の登場する場合は殆どが石板やその他の硬い物に文字を書いたりする道具としてしか登場しません。一部聖書に登場するという意見も有りますが、ダイヤモンドであるかどうかは意見の分かれるところです。当時の加工技術を考えるとダイヤモンドではなく他の白色の透明籍である可能性の方が高いのではないか?と個人的には考えています。

こうして500年くらい前からダイヤモンドは少しづつ加工できるようになります。

しかし、ダイヤモンドの産出は当時非常に稀でした、産地はインドと僅かにブラジルのみで限られた人の死かダイヤモンドを持つ事が出来ませんでした。これは裏を返すと限られた人しかダイヤモンドを加工できなかったという事でもあります。ダイヤモンドの加工法としてもう一つ注目されたのがグリーピングです。ダイヤモンドは木目の様な繊維の並びがあり、その目に沿って平行にで有れば加工できる事が判っていましたが、それはあくまでも加工できる原石の目が表面に平行に沿っている場合の実でした。

そこで加工職人はダイヤモンド加工したい目に沿って平行に割って、研磨できるサイズもしくは研磨できる形に最初に加工する必要がありました。しかしこのグリーピング作業(カット)はダイヤモンドの原石の持つ繊維の目(木目、晶目)を見誤たりすると思わぬ方向に砕けてしまう事もシバシバでした。有名な所では1893年に発見された当時世界最大970カラットのダイヤモンド原石エクセルシオール(Excelsior Diamondはオランダの”ロイヤルアッシャー”ダイヤモンドの専属カッター”ジョセフ・アッシャー”によって13カラット~ 68カラットの10個にグリーピング(カット・分割)されました。970カラットから最大で68カラットですので原石からのロスト率はナント93%とトンデモナイ数字です。最大サイズが68カラットですので10個に分割した場合の宝石として残せなかった部分も300カラット近くもしかしてそれ以上ロストしたと思われます。※レーザーで内部を看破してレーザーでカットできる1990年以降はこうした事は起こりません。

カット失敗だったのではないか?またダイヤモンド原石の販売にも不審な点が多かった事で、当時の新聞にも大きく取り上げられ、イギリス議会等も紛糾した程です。それまでに研究材料となったダイヤモンドも少なかったことから、こうした失敗?は当時世界中で起こっていたようです。

権力のある王や技術を持った研究者職人、武力の強い将軍にもどうにも自由にできない宝石ダイヤモンド、しかし一度光を放つように加工できると他のどんな宝石よりも魅力的な輝きを放つ事は人々を引き付ける魅力に富んでいて、どんな時代もダイヤモンドを自在に加工したい人とダイヤモンドに想いを込める人の中で育まれてきました。

ダイヤモンドの宝石言葉は永遠の絆、純潔、不屈

征服されざる者に征服されざる思いを込めて贈る婚約の記念品こそエンゲージリングなのです。プロポーズの言葉と共に贈られたダイヤモンドは送った人も送られた人にとってもっ勝の大切な思い出の品物になるに違いありません。

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