皆さんこんにちはBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。
今日はダイヤモンドのカットグレードエクセレントとカットグレードではない表現でアイディアルとの違いをご紹介したいと思います。先ずダイヤモンドの4Cとは?重さカラット、色カラー、透明度クラリティ、形カットの4つの項目でダイヤモンドの等級を調べてその評価を決める国際基準です。詳しくは今日は書きませんので「ダイヤモンド4C」でグーグル検索して調べてください。
その4Cの内カットグレードは1988年にGIAによって定められたラウンドブリリアントカットのフォルム案の通り正確に仕上げて有るのか?否か?がグレードの基準となっています。その評価はエクセレント、ベリーグッド、グッド、フェア、プアの5段階で標記されます。ダイヤモンドのグリーピングが手作業だった1990年まではダイヤモンドの輪郭を正確にフェイスアップで丸く仕上げる事が困難でしたのでエクセレントカットにダイヤモンドを仕上げる事は困難を極めました。
またGIAによって定められたカット基準の通りにダイヤモンド全体を研磨し切る事も相応して高い技術力が求められたのです。これを世界で初めて達成した研磨職人はベルギーアントワープのフィリッペンス・ベルト氏です。ベルト氏はカットの総合評価だけでなく、他の2項目、表面研磨ポリッシュと対称性シンメトリーの3項目すべてで最高評価を獲得、トリプルエクセレントと言うダイヤモンドの仕上げ理論上の最高評価を獲得したのです。しかも3年後の93年はダイヤモンドのハート&キューピッドも完成させました。これによりダイヤモンドのカットグレードはエクセレント、ベリーグッド、グッド、フェア、プアの5段階と言うよりもエクセレントの中に3項目すべて最高のトリプルエクセレントとその上でハート&キューピッドパターンの視認できるハート&キューピッドがグレードされる事となったのです。
※GIAではハート&キューピッドを採用していません
※厳密にはハート&キューピッドはカットグレード”ベリーグッド”でも対称性の良し悪しとファセットラインの一致が有れば確認できますので、エクセレントハート&キューピッドとベリーグッドハート&キューピッドの2グレードも等級付けする必要があるのかもしれません。今回は割愛します。そして光学理論上人間の目で見てベリーグッド以上のダイヤモンドであれば光の利率の良し悪しを原石の持つ美しさ彩度や明度がカバーできる範囲である事も業界内では確認されています。此処ではあくまでGIA理論と現行のグレードで表現します。
①トリプルエクセレント、ハート&キューピッド(3EX/H&C)
②トリプルエクセレント(3EX)
③エクセレント(エクセレント、ハート&キューピッド)(EX)
④ベリーグッド(ベリーグッド、ハート&キューピッド)(VG)
⑤グッド(G)
⑥フェア(F)
⑦プア(P)
の実質7段階評価となったのです。しかしここで皆さん疑問なのはカットグレード【アイディアル】とは?何なのか?という事だと思います。このアイディアルは1919年にマルセル・トルコフスキー氏によって計算された理想的なダイヤモンドの研磨角度に仕上げたダイヤモンドの事を一部ブランドで呼んでいる名前で、現在ダイヤモンド業界内に明確なグレード各付けは存在しません。GIAは1980年までマルセル・トルコフスキー氏の考案したアイディアルのダイヤモンド設計図を理想的なダイヤモンドの形として教材にも使用していました。しかし一部光の動きについて不完全な理論である事が判明すると1980年には教材から外し、ダイヤモンドの理想的な形をGIA内で研究し1988年にダイヤモンドの理想的なフォルムとしてエクセレントを発表したのです。この事から考えると①トリプルエクセレント、ハート&キューピッド、②トリプルエクセレント、③エクセレント、④ベリーグッドと等級順が有るうちの③と④の間に1919のトルコフスキー理論で論じられたダイヤモンドのフォルムが有ると考えて良いと思います。なので現在の正しいダイヤモンドのカットグレード標記としては
①トリプルエクセレント、ハート&キューピッド(3EX/H&C)
②トリプルエクセレント(3EX)
③エクセレント(EX)
④アイディアル(ID)
⑤ベリーグッド(VG)
⑥グッド(G)
⑦フェア(F)
⑧プア(P)
厳密には8段階でダイヤモンドのカットグレードは表現する事が出来ると考えられます。技術の進歩と共に向上してきたダイヤモンドの輝きは1993年に最終段階に入り現在までそのグレードを超える評価のダイヤモンドは発表されて居ないのです。ダイヤモンドを選ぶときはカットグレードの4Cではカット、そしてその等級はトリプルエクセレント、ハート&キューピッドがおススメです。その上で鮮やかな虹色で明るい輝きを放つダイヤモンドを選びましょう!