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カリナンの最新研究レポートを読んで

皆さんこんにちは!ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーです。

今日は人類史上最大のダイヤモンド、カリナンの最新調査についてレポートが挙げられていたので、内容をかいつまんで感想を書いて道と思います。超震度起源ダイヤモンド”スーパーディープダイヤモンド”はご存知でしょうか?ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーでも取り扱うボツワナを中心とするデブスワナのダイヤモンド原石を多くのダイヤモンドポリシャーやカッター(作業者)は”硬い”と評します。それは実際にダイヤモンドの硬度に差が有るからであることは以前にも説明しています。これについて結晶深度の差がダイヤモンドの炭素結晶の結合力に差を生んでいいるのでは?ないか?という仮説を立てているのですが、今回のレポートにもカリナンのようなダイヤモンドとロシア産などの150~200キロで結晶した普通のリソスフェア層結晶ダイヤモンドと比較した場合には、(アフリカ産の超深度起源ダイヤモンドも複数サンプルを用意して検証する)カリナンのような超震度起源ダイヤモンドには、還流ガス(メタンと水素で構成される流体)に囲まれた、微小で希少なケイ酸塩と鉄に富む金属介在物(金属鉄)が含まれていることが判りました。このインクリュージョン内包物の組成は興味深いです。というのも、”金属鉄(ケイ酸塩と鉄に富む金属介在物が含まれる)”という事は、このマントールキールよりも深い流動マントル環境には、ダイヤモンドが結晶化した酸素不足の金属液体が含まれているという意味だからなのです。

この説明で直ぐにはびっくりできない自分の学の無さを残念に思ったのですが、一般的にはこれで興奮するようだと完全な”地質オタク””地下資源オタク”としか言いようがないです。

カリナンを使って(世界で最も高価なダイヤモンド)行われたこの新しい観測は、より浅く、より酸化されたマントル岩とは対照的に、マントルの深い領域が金属鉄(金属液体)を含むことを示していて、深部の鉱物集合体間の化学反応を理解するためにもとても重要です。さらにはプレートテクトニクスとそれに関連する火山活動の解明にも役立つかもしれないのです。今回のレポートで研究チームは、30個を超える超深部委起源ダイヤモンドの原石の中に金属鉄の超微小インクリュージョンを発見しました。これらの極小内包物が、ダイヤモンドの結晶成長のための媒体である可能性にも言及しています。つまりカリナンなどの内包物として金属鉄を含む超深部起源ダイヤモンドは他150~200キロで生成されるダイヤモンドとは形成方法が異なるため生成方法も区別されべきとしています。また超深部起源ダイヤモンド原石中にある金属の内包物は電子を供給する還元ガスに囲まれていることを解明。これは長らく謎だった重力の秘密に迫ると共に地球の誕生の際に外核に金属を沈殿させた可能性を証明する情報であるとしています。ダイヤモンドの窒素の含有不含有はマグマの中での窒素の動き、すなわちマントルの動きについても解明する大きな手掛かりとなるのです。

超深部起源ダイヤモンドはBRIDGE銀座プロポーズはサプライズで美しい

このようにダイヤモンドは宝石としても高価で有り、人類にとってとても貴重なものであるにもかかわらず、今まで解明できなかった地球の深部の情報を地上にもたらす最高の保護カプセルなのです。地層学者や地球の研究を行っている科学者の間でダイヤモンドの解明はとても状様な意味を持ち始めているのです。因みに現在の研究では超深部起源ダイヤモンドはダイヤモンドの全量の内1%程度だと考えられています。そして今後、超深部起源ダイヤモンドは別の種類のダイヤモンドとして区別される可能性も出てきました。その区別の最も有効な方法は内包物の種類と有無で選別する方法と、超深部起源ダイヤモンドの多くがDカラー等アフリカ産には希少なハイカラーで有る事と、カリナンやレソトプロミス等のサンプルダイヤモンドに共通するタイプⅡで有る事です。

この事から簡単にわかるのは地球の超深部ではダイヤモンドの色原因となる窒素が圧倒的に不足してしまうという事によるDカラーの出現率の上昇です。しかも窒素含有ダイヤモンドのタイプ1の割合が低下する事で必然的にダイヤモンドのタイプはⅡ型に偏るのです。

また鉄を含む超微細な希少内包物を含むか否かは超深度起源ダイヤモンドであるかどうかの判断で大きな材料となりそうです。

タイプⅡはそもそも内包物が少なく希少です。私が宝石の学校に行っていた時代に習った比率ではダイヤモンド全体の1%以内と他のタイプのダイヤモンドとの出現確率には大きな隔たりがあったのです。しかし、アフリカ大陸のボツワナ・ハボローネのデビアス本社で担当者に質問して得た回答では【ボツワナ産の20%はタイプⅡである】でした。当時、宝石の鑑定鑑別機関に持ち込まれるダイヤモンドからタイプの割合を計算していましたので、この事実は驚愕でした。

日本に輸入されて鑑定される高品質ダイヤモンドの内、タイプⅡは1%未満。しかし原産地ボツワナで産出するダイヤモンドの内タイプⅡaの割合は20%、、、、いったいどうしてこの差が生まれるのでしょうか?私個人的にそれは謎でした。しかし今回の研究結果を見てデビアスはタイプⅡのダイヤモンドを宝石として市場に流通させるのではなく何らかの研究に使っていたのでは?というのが私の見解です。

地球誕生の秘密に迫る手掛かりとなるダイヤモンド、そして私たち人類誕生の秘密に迫るダイヤモンド内部の情報はロマンが有りますね!少しでもダイヤモンドの秘密が解明されてダイヤモンドがよりロマンある鉱物として人々の夢を閉じ込める最高の宝石である事を願っています。

 

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