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モース硬度のモース

皆さんこんにちは!ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーです。

アメリカダイヤモンド研磨の父と呼ばれる”ヘンリーDモース”の話をしていると複数のお客様からモース硬度のモース?と質問ダレますのでモースの硬度計を開発した地質と鉱物の学者フリードリッヒ・モース(Friedrich Mohs 1773年~1839年)を紹介したいと思います。

モースはドイツの地質学者・鉱物学者でみなさんご存知のモース硬度(モースの硬度計)を作った人です。

因みにモースの開発した硬度計で測定して最も高硬度の10にランクされる宝石がダイヤモンドです。面白い事に硬さの単位は「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「たたいて壊れるかどうか」の堅牢さではないという事です。ですのでダイヤモンドも実は衝撃には脆く、使用方法によっては強い衝撃を直接受ける事で割れてしまう事も有ります。

モース硬度は以下の通り

1:滑石(かっせき)珪酸塩鉱物の一種でフィロケイ酸塩鉱物に分類される鉱物。あるいはこの鉱物を主成分とする岩石の名称。別名として英語名talc(タルク)、フレンチチョーク、ステアタイト、ソープストーンなどがある。最も軟らかい鉱物で、つるつるした手触り。爪でも簡単に傷をつける事が出来る。

2:石膏(せっこう)硫酸カルシウムを主成分とする鉱物である。硫酸カルシウムの1/2水和物がバサニ石、水和物が石膏、無水物が硬石膏とよぶ。これら硫酸カルシウムの各水和物および無水物を一纏めに「石膏」という場合もあるので注意を要する。爪では何とか傷をつける事が出来る硬さ

3:方解石(ほうかいせき)カルサイトの名前の方が一般的かも、炭酸塩鉱物の一種。組成は炭酸カルシウム。鍛造された金属(硬貨など)で擦ると傷が付く

4:蛍石(ほたるいし)または”けいせき”フローライト、フルオライトはハロゲン化鉱物の一種。主成分はフッ化カルシウム。等軸状結晶。ナイフで簡単に傷をつける事が出来る。

5:燐灰石(りんかいせき)アパタイト。リン酸塩鉱物の鉱物。化学組成の違いによって多彩なカラーバリエーションが有る。単に燐灰石といった場合はフッ素燐灰石をさすことが多い。ナイフで何とか傷をつける事が出来る。

6:正長石(せいちょうせき)鉱物でケイ酸塩鉱物の一種。長石グループの鉱物で、単斜晶系のカリ長石。ナイフでは傷をつける事が出来ない。

7:石英(せきえい)二酸化ケイ素 が結晶してできた鉱物。六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多い。中でも特に無色透明なものを水晶 と呼ぶ。日本でもなじみの深い宝石として珍重されてきた。ガラスや鋼鉄にも傷を付ける事ができる。

8:黄玉(おうぎょく)トパーズ (topaz) 。石英(硬度7より)より少し硬いケイ酸塩鉱物。石英に傷を付ける事が出来る。

9:鋼玉(こうぎょく)サファイヤやルビー等のコランダム (corundum)グループ。酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物。赤鉄鉱グループ。黄玉にも石英にも傷が付ける事が出来る。

10:金剛石(こんごうせき)炭素Cの同素体の1つで炭素原子が多重結合している。実験で確かめられている中では天然で最も硬い物質。結晶構造は六、八、十二面体を基本とする等軸状で、古くから宝石や研磨材として利用されている。地上に存在する物質では最も硬くコランダムに傷を付ける事が出来る。その硬さはコランダムの144倍とも

フードリッヒ・モース

モースの生涯については日本語で紹介されることは殆どありませんね、みんな興味ないんでしょうか?モースはドイツのハルツ山地のゲルンローデで生まれました。彼は幼い頃から科学には秀でた才能を発揮していました。特に関心を示していたのが鉱物学です。マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルクに入学してさらに教養を深めていきます。大学では主に化学、数学、物理学を学びました。1798年、ザクセン州フライベルクのマイニングアカデミーに入学し、鉱物分類法の基礎を築き構造地質学を学問として構築したドイツの地質学者アブラハム・ゴットロブ・ヴェルナーのゼミ学生となり、ヴェルナーに師事します。

マイニングアカデミーを終了後の1801年に鉱山会社で職長として働き始めます、モースは1802年にオーストリアに移り、ここから様々な大学の研究室と鉱山企業の主任研究員としての地位を確立していいます。そして最終的に1826年、モースはウィーン大学で鉱物学において最も権威のある教授になりました。同時に、彼はオーストリアの帝国鉱物コレクションのキュレーターに任命されます。

そこでモースは伝統的に行われていた化学組成ではなく、物理的特性によって鉱物を分類する取り組みをスタートします。当時一般的な化学系統学で鉱物を区別しようとする学者とは意見がなぜか対立していました。モースはダイヤモンドやコランダム、水晶など、古代より世界で知られている鉱物同士の相対的な硬度を比較してその硬さで鉱物グループ分け出来る事を発見したのです。ダイヤモンドが石英を傷つける事が可能でしたのでダイヤモンドは石英より硬いことを発表したのです。これがモースが開発した硬度スケール”モースの硬度計”の基礎になります。最も硬い鉱物であるダイヤモンドは硬度10とし、タルクなどの柔らかい鉱物には硬度1としました。石英やコランダムなどは1~10の途中の数値を振り分けて硬度計を完成させたのです。

大学教授をリタイアしたモースは最初に支障に師事したザクセン州フライベルクに移り住みここで晩年を過ごします。1839年にイタリアのアゴルドを旅行中に66歳で亡くなるまで余生を過ごしたそうです。

 

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