ガーネットはいくつかの鉱物で構成されたグループ宝石
1月の誕生石garnet「ガーネット」赤い色の「ザクロ」という意味を持つ中世のラテン語「Granatus(グラナタス)」が語源です。ザクロの色に似ているからこの名前に成ったのだと思われがちですが、実はザクロの実の付き方にガーネット族の結晶の付き方が似ていたからと云うのが本当です。
ガーネットと人類関係は古く宝石や研磨材として青銅器時代から使用されてきました。赤いガーネットがちりばめられたネックレスを、古代エジプトのファラオが着用していました。古代ローマの貴族が愛用した印章・印台指輪は、重要な書類の封蝋のために使用された、ガーネットのインタリオが特徴です。また、赤いガーネットは中世の聖職者や貴族に好まれました。
ガーネットは、実際にはいくつかの鉱物で構成されたグループ宝石です。その種類はパイロープ、アルマンディン、スペサルティン、グロッシュラー、アンドラダイト の5種類です。中でも代表格として皆さんご存知の赤色のガーネットはパイロープ・ガーネットとアルマディン・ガーネットです。これらは紫色から赤色までの色調のものです。スペサルティン・ガーネットは、鮮やかなオレンジ色と黄色があり、アンドラダイトは、主に黄色から緑色を発色しています。ガーネットの中でダイヤモンドをも凌ぐ光の屈折値を持つ緑色のアンドラダイトを【デマントイド】と呼びます。
ガーネット族には様々な変種がある
グロッシュラーの緑色はツァボライトと呼ばれます。(発見者のクンツ博士によってアフリカの国立公園の名前から命名されました。)緑色以外のグロッシュラーは無色から黄色、帯赤橙色や帯橙赤色まで、色の範囲がとても広くカラーバリエーションが豊富です。またカボションカットに仕上げると2つのシャトヤンシー効果が交わってスターの現れるスターガーネットやアレキサンドライトの様に照明により青から紫色に色が変化するチェンジカラータイプのガーネットなども有り、バリエーション豊富な宝石です。宝石鑑別を行うCGL等では宝石種と鉱物名を個別表記してガーネットを鑑別しています。
遊色効果のあるアンドラダイトガーネットをレインボーガーネットと呼びます。2005年に奈良県の山中でレインボーガーネットが発見されたというニュースが発表された直後に奈良県吉野郡天川村には多くの宝石マニアが押し寄せ”あっ”と言う間に取りつくしてしまったという悲しいニュースは記憶に新しいです。
※現在では脈に沿って掘り込まれた採掘坑と斜面の下にまで続くおびただしい量の捨石が残されています。それでも採集に訪れる人が絶えず、地元住民とのトラブルが発生したこともあったようで。まもなく地元の警察署と村役場によって採掘禁止の看板が掲示されました。現在では鉱物等の採集は全面的に禁止されています。
ガーネットはダイヤモンドの内包物や指標鉱物としても多く発見されます。