ロスチャイルド(Rothschild)

ロスチャイルド(Rothschild)

ヨーロッパの財閥、婚姻関係から巨大な閨閥でもある。銀行家。神聖ローマ帝国出身のユダヤ人で、フランクフルト・ゲットー出身。ゲットーは1460年代からフランクフルトで隔離されたユダヤ人居留区の事で、ロスチャイルド家はもともとそんなに大きな商家では無かった。初代のマイアー・ロスチャイルド(1744-1812年)は古銭などの取り扱いを生業としていたが、時のヘッセン・カッセル方伯位を継承したヴィルヘルム9世を顧客に持つった処から状況は一変します。また時節柄フランクフルトがイギリスの植民地産品や工業製品を集める一大集散地になっていたこともあってマイアーは商家としてかなりの成功を収めていきます。1789年にはマイヤーの二人の息子がヴィルヘルム9世から気に入られ、当時の方伯家御用達の金融機関勤務を経てヘッセン・カッセル方伯家の正式な金融機関の一つに指名されるまでに発展していきます。この頃になると本業は金融機関としての活動へ変化していき、商圏をヨーロッパ全土へ拡大していくようになります。

1806年に更なる転機が訪れます。ヘッセン(ドイツ中部にかつて存在した国)へとナポレオンのフランス軍が侵攻してきたのです。これによってヘッセン選帝侯ヴィルヘルム1世は国外亡命します。ナポレオンはヘッセン選帝侯の巨額の財産の管理権を金融機関のロスチャイルド家に委託します。ロスチャイルド家はナポレオンの監視が有る中ヨーロッパ中から選帝侯の債権の回収にあたり、回収した金は選帝侯の許しを得て投資事業に転用、莫大な利益を上げるようになります。この頃秘密裏にドイツのライン連合等にも取り入り、敵味方双方から大きな利益を上げ続ける事に成功します。

またイギリスとの交易を全面的に禁止したナポレオンの大陸封鎖令では密輸ルートを通じてロスチャイルドはヨーロッパ全土がイギリスに頼っていた交易品のコーヒー、砂糖、煙草、綿製品を密売し(これは禁止によって価格暴落したイギリス、物品の不足によって経済停滞したヨーロッパ双方に利益の有る事だった。)またまた莫大な利益を手に入れ世界有数の財閥へと成長していくのです。

ダイヤモンドとの係わりでは南アフリカの初代大統領にもなったセシル・ローズを支援して1880年から相次いで行われた鉱山買収に協力しています。最終的にダイヤモンドの中央販売体制”デビアス”の設立にもロスチャイルド家の協力は不可欠でした。ロスチャイルド家に支援されたセシル・ローズとロスチャイルド家は世界の銅供給の40%、ダイヤモンドは供給量の90%を支配するに至ります。

日本では日露戦争時、日本に対して戦費の貸し付けを行った事で社会の教科書にも登場する事が有るほど有名です。この繁栄は第一次世界大戦頃迄続きますが、国家主義が台頭した事と続く第二次世界大戦下でナチスドイツの迫害を受けロスチャイルド家は大きな打撃を受けます。それでも世界中の財閥と関係(主に婚姻関係)を持っていて、現在もその影響力は計り知れないのです。

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