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フラックス合成(Flux-growth process)

フラックス法(Flux-growth process)

フラックス法は宝石の合成方法の1つ。素材を融解させる結晶させる合成方法において、融点温度を下げる目的で添加するフラックス材から、フラックスを添加した素材を融解し、温度を徐々に下げて内部を結晶させる方法。通常この方法では内部で結晶できるサイズが小さすぎるため、種結晶として小粒の天然石をあらかじめ仕込んで融解させる場合がある。主に色石にに用いられる方法でエメラルドやルビーなどがフラックス合成法での代表作。それ以外の宝石では製造コストが釣り合わず採用されていない。

ルビーの場合

フラックス法合成ルビーは各種の金属化合物から成るフラックス剤(酸化リチウム(LiO2)、酸化モリブデン(MoO3)、弗化鉛(PbF2)、酸化鉛(PbO, PbO4)、弗化アルミニウム・ナトリウム(Na3AlF6)、酸化タングステン(WO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2W2O7)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ビスマス(Bi2O3)等の金属化合物を状況に合わせて数量をそれぞれ計算しているようです。)の中にルビーの原材料である酸化アルミニウムと鮮烈な赤色の発色原因となるクロムを混合して融解させます。燃焼温度は1000~1400℃、ルビー自体の融点が2300℃付近であることを考えるとこれでも低温うことになります。こうして高温で熔けた酸化アルミニウムなどの融剤の中でゆっくりと結晶が成長します。そのスピードは1カラットで2~3ヶ月とかなりのスローペースです。

天然ルビーと似た条件で結晶するので、結晶の成長線と呼ばれる模様や内包物の特徴が天然ルビーに良く似ています。使用する融剤の種類により融点や冷却速度が異なるため、合成ルビーを取り扱う会社はそれぞれに独自のノウハウをもって作業しています。一般に10mmの結晶成長に3ヶ月ほどかかると言われています。しかも歩留まり悪く研磨済みでは1~2カラットサイズまでとなります。現在では中国での需要が有る他はあまり取引されていない印象です。

 

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