鉱物学と結晶化学を発見したユダヤ人地球学者
ヴィクトール・モーリッツ・ゴルトシュミットVictor Moritz Goldschmidt、(1888年~1947年)はスイス生まれのユダヤ人で地球科学と鉱物学、結晶化学の創始者。元素のゴルトシュミット分類は日本でも中学生の理科で習う。ゴルトシュミットは地球や地球の構成物質について化学的な手段を用いて研究する分野の第一人者であり、自然界における元素や同位体の分布や挙動を把握することを目的とした研究をつづけた。また結晶の幾何学的な特徴や、光学的な性質、物理的な性質、化学的性質等を研究する学問である結晶化学の創始者でもある。
2019年に南アフリカで発見された新種の鉱物「ゴルトシュミッタイト」は彼の功績にちなんで命名された。
超深度起源ダイヤモンドCLIPPERの発見につながる
このゴルトシュミッタイトが最初に発見されたのは地下170キロのマントルで結晶するダイヤモンド内部でした。地下170キロのマントルの構成物質はマグネシウムや鉄が主な成分であり、マントル内部には希少なニオブやカリウム、希土類元素のランタンやセリウムなどが集合して形成される物質がゴルドシュミッタイトと定義されています。
しかも非常に希少な物質集合で結晶する新種の鉱物「ゴルドシュミッタイト」はダイヤモンド内部の内包物としてしか存在しない不思議な物質なのです。