ラリサ・ポプガエヴァ(Larisa Popugaeva)

ラリサ・ポプガエヴァ(LarisaPopugaeva)1923~1977

ランオブマインはダイヤモンド原石で産地特定できる

ロシアのダイヤモンド探鉱家・地質学者。1950年にレニングラード大学の鉱物学部を卒業したラリサ氏はダイヤモンドに関する地質調査に大きな関心を持つ女性でした。彼女はソビエト連邦北西地質管理局のさまざまな遠征で地質学者・探鉱家として働きながら独自の研究を進めていました。これは1980年代に地質学者ジョン・ガーニーによってG10ガーネットの存在やダイヤモンドの指標鉱物の研究が明らかになる30年以上前の話です。しかし当時東西冷戦等の影響でソビエト連邦などの社会主義国の機密が世界に流失することは殆ど在りませんでした。これは優れた資質学であっても例外では無かったのです。1965年に始まったコラ半島超深度掘削坑(コラはんとうちょうしんどくっさくこう)等の存在もソ連崩壊まで明らかにされていなかった事からも、地下開発が先進国にとっていかに大切なミッションなのか?を物語っています。”ダイヤモンドを制するものが世界を制する”の格言は現在も生きていると言われています。この当時もダイヤモンドを使って切削された兵器の命中精度はとびぬけて高かった為にダイヤモンド開発は国家を上げた一大プロジェクトだったのです。

地質学者としてダイヤモンドの研究を行っていたラリサ氏は国内最大のダイヤモンド探査組織の1つであるアマキンスカヤ(Amakinskaya)での遠征の1954年に、国内で最初のダイヤモンド鉱床であるキンバーライトパイプ「ザルニツァ(Zarnitsa mine)」を発見しました。 さらに翌年にはイルクーツク地方の北部で10ものパイプ鉱床を発見します。

ラリサ氏の地質学的研究結果でこの地を観察すると、周辺地域堆積物に属する粘土とアレブロライト(alevrolite)の露頭が広がっている地殻変動の盛んな盆地であり地表に多数散見される露頭部分にはカンブリア紀の石灰岩に不適合に重なるジュラ期と三畳紀の玄武岩がミルフィーユ状に露出しており野外においてこれらの地層・岩石がキンバーライトと一緒に露出しているとしています。ダイヤモンドを含むキンバーライト層が自然露出しており、そうした鉱物露出がこの地域に広がっていたのです。
特に発見されたザルニツァ鉱山のパイプから北へ。アマキンスカヤキンバーライトパイプショーと呼ばれる地域が有り、この地域は地層調査で垂直方向に大きな異方性がある場所が多く報告されました。これは永久凍土の影響を受けて固結し風化した粘土質のキンバーライト層であり、地上から深さ30m以下は全て硬いブルーグラウンド(キンバーライト層)で形成された良質なダイヤモンドを含む地質である事が判明したのです。
この発見によりラリサ氏はロシアダイヤモンド発見の第一人者と呼ばれるようになります。

ラリサ氏の発見したダイヤモンドパイプは1980年代に旧ソ連によって安全利用による核発破で岩盤手前の永久凍土を破壊してパイプ採掘が本格的にスタートしています。※この時の核汚染の影響は現在も収まっておらずロシア産ダイヤモンドについて賛否の有る状態が解決されていません、これを受けてデビアスではロシア産ダイヤモンドの取り扱いを停止しています。またBRIDGE銀座(アントワープブリリアント)でもロシア産ダイヤモンドを取り扱いません。

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