あこや真珠の最高峰品質”むきおとしの花珠”
あこや真珠の養殖場で使われていた超品質の真珠に使う専門用語。真珠の生産者が養殖したあこや貝を浜揚げして真珠を取り出したときに、何もしていなくても既に綺麗な真珠が出て来ると、それを「むきおとしの花珠」と呼んだのが始まり。その為、花珠(はなだま)は俗称で長らく綺麗な真珠になんとなく使う呼び名として業界で取り扱われていました。
その為、どれを取って花珠(はなだま)なのか?は非常にあいまいで販売者が花珠だと言えばそうなると言うようなものでしかありませんでした。しかしその状況では最終消費者が混乱してしまうとして、宝飾業界では花珠の基準を定め鑑別する際に花珠判定を行う様に改革を進めてきました。そうして真珠科学研究所などの主導で花珠鑑別が誕生し、現在では花珠の品質について細かく管理できるようになったのです。
”花珠”の条件と”越し玉”との関係
花珠と”越し珠”は高品質真珠のイメージとして同義に扱われることが有りますが、意外にも花珠と越し珠は同じ意味では在りません、美しさの基準で選ばれる花珠と養殖期間の長い短いで決まる越し珠では根本的に違いが有るのです。花珠であるから越し珠であると言う訳では無いですし、越し珠だから花珠であるという事でもありません。国際的な真珠の評価基準を作った真珠科学研究所で定める花珠の条件は以下の通りです。
- 6ミリ以上のホワイト系アコヤ真珠に適用します。
- まきは0.4ミリ以上とします。
- かたちはセミラウンドまで許容範囲とします。
- きず(面)は真珠科学研究所基準でチェックします。
- テリを最重視し、輝きと干渉色の両面を真珠科学研究所基準でチェックします。
これ等基準を満たした真珠を花珠と呼びます。越し珠では①直径6ミリ以上のサイズ、②巻の厚が0.4ミリ以上はクリアできるのですが、続く形がセミラウンドまで、や傷、照りの強さが基準を超えるかどうかは真珠の個体固体の美しさの差によるのです。