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ジョン・ガーニー(John Joseph Gurney)

ジョン・ガーニー(John Joseph Gurney: 1940–2019)

鉱物学者のジョージ・スウィッツァーのチームメイトでスミソニアン研究所の博士研究員、ガーニー氏は地球学者でダイヤモンド指標鉱物である、エクロジャイト捕獲岩の地球化学に関する博士号を取得した。ガーネット、オリビン、スピネル等の研究をし、特にクロムを多く含みカルシウムの少ないパイロープガーネット(G10)が一緒に産出している場所でダイヤモンドが産出する事を解明しました。

ダイヤモンドの美しさは原石の上質さと研磨者の技術で決まる

ガーニーの研究

1980年の後半にヒューゴ・ダメット(Hugo Dummett)に雇い入れられダイヤモンドを含んだキンバーライトパイプを調査する研究を始めます。この時からガーニー氏はダイヤモンドを含むキンバーライトパイプのより正確な情報を研究しました。 1982年までに、ガーニー氏はキンバーライト内に産出するパイロープガーネット “G10″がダイヤモンドの発見に不可欠であることを発見します。
この頃の地層学では先行して見つかった南アフリカでの成功事例からガーネットがダイヤモンドの指標鉱物とされていましたが正確には”クロムを豊富に含んだ低カルシウムのパイロープガーネット”が重要だったという事をガーニー氏の研究チームが解明します。(ガーネットは宝石種の名前でそれぞれのカーネットには個別に宝石名が振り分けられるほど複雑な鉱物。内包する成分によって同じガーネットでもその性質は大きく異なる。)この新技術を使用して、ボツワナ東部で有望なキンバーライトパイプを発見します。

オラパと呼ばれる商業用ダイヤモンド鉱床はダイヤモンドのシンジケートを運営するデビアスによって買収されます。オラパの発見はその後カラハリ砂漠の再調査に繋がりそれによって現在のジュワネング鉱山発見される事になります。

また1900年代 南アフリカでダイヤモンドラッシュが起こった頃、土地の売買で収益を得る不動産屋の中で自分の販売する土地がダイヤモンドを含むキンバーライトパイプであるとして値を吊り上げる詐欺が横行していました。※キンバーライトパイプの内ダイヤモンドを含むダイヤモンドパイプの出現確率は600分の1であり、ダイヤモンドを含むパイプ鉱床であるかどうか?は鉱山経営者にとって非常に大切な要素でした。

ジョン・ガーニー氏は特殊条件を満たしたパイロープガーネットの産出していないキンバーライトパイプにダイヤモンドが無いことを証明し多くの詐欺を暴き報酬を得たと言います。また1970年以降発見された多くのダイヤモンド鉱山はガーニー氏の研究無くは発見される可能性がとても低かったと言わざるを得ません。ガーニー氏は現代ダイヤモンドの父と言えるのかもしれません。

ガーニー氏の研究成果によってロシアやカナダ、オーストラリアなどの多くのダイヤモンド鉱山・鉱脈が発見され稼働を開始しました、この発見によって長く独占的な立場にいたダイヤモンドシンジケート”デビアス”はそのシェアを低下せざるを得なくなったのです。
ガーニー氏は、マントルの岩石学と地球化学、キンバーライト、ダイヤモンドの地質学と探査のほぼすべての側面において、50年以上にわたって300を超える研究論文を執筆した現代ダイヤモンド鉱物学の父ともいえる人物。

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