クック
加熱処理して色を改良するスリランカ産サファイア
クック(Cook)はルビーやサファイヤの加熱処理を指す業界用語。【加熱調理した】の意味からクッキングしたルビーという意味になる。通常ルビーやサファイヤの過熱は1900度から2000度の超高温で7日間ほど行われる。ルビーの融点は2300度だが内包物は融解してしまうので拡大検査で加熱してるかどうかは看破できる。
2000年頃ベリリウム新加熱方式が発見されると加熱処理していないルビーやサファイアを【非加熱】と定義して加熱宝石と区分けするようになった。鑑定鑑別機関でもコランダムの加熱処理についての研究は進められていてドイツのギュベリン研究所などが先行して情報開示している。
貞操観念を守る宝石と呼ばれるサファイア
その昔、古代ローマ帝国の十字軍が遠征に出兵する際、兵士は現地で帰りを待つ妻にサファイアの宝石を託したと言われています。これはサファイアが浮気を見抜く宝石であると信じられていたからなのですが、紀元前の人類が約2000度に加熱されるとサファイアの色が改変される事を知っていたかは別として興味深い逸話です。恋の熱は2000℃以上の超高温なのでしょうか?【やけど注意】とはよく言ったものです。