バリオンカット(Barion Cut)
バリオンカット(Barion Cut)は1970年、ダイヤモンドの一大産地となった南アフリカのダイヤモンド切断師(カッター)の”バジル・ウオーターマイヤー氏”によって開発されました。
バリオンカットは半月型の画期的なパビリオンファセット”ハーフムーン”を搭載した最初のダイヤモンドで、四角いブリリアントカットの原型となった前節のダイヤモンド形状です。
1970年代は技術の行き詰まりがあった時代で、ラウンドブリリアントカットの最高グレードは当時の加工技術では実現不可能でした。ダイヤモンドクリエイターたちは変形カットにおいて新しい挑戦をした時代でもあるのです。そしてウオーターマイヤー氏の発明したバリオンカットの登場でダイヤモンド開発は大きな転換点を迎えることに成ります。
ハーフムーンと呼ばれる半月型のパビリオンファセット(ローワーガードル)によってパビリオン部分がキューレットに向かって放射状の研磨を施す事が出来るようになり四角い形状のダイヤモンドの仕上げ品質を大幅に向上させたのです。
ブリリアントカットには7つの必須ファセットがある
デビアス鑑定やGIA、CGLではブリリアントカットの定義を次の7つのファセットを持つカット石と定義しています。①テーブル②ベゼル③スター④アッパーガードル⑤ローワーガードル⑥パビリオンファセット⑦キューレットこの7つを持つカットをブリリアントカットと呼びます。
バリオンカットの登場以前はステップカットにブリリアントファセットに必要なスターファセットやパビリオンメインファセットを施すことが出来ませんでした。1970年のバジルウォーターマイヤー氏の発明はダイヤモンド開発を新しいステージへと押し上げたのです。