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プリンセスカット(Princess Cut)

プリンセスカット(square modified)

プリンセスカットは宝石のカット形状の名前。主に四角でブリリアントカットに研磨した宝石のカット名。通常鑑定書表記ではsquare modified(四角く修正したブリリアントカット)と表記します。カラーグレードの高くない色甘のダイヤモンドは四角の辺に近い部分に色が見える場合があります。これはプリンセスカットの特徴で強いブリリアンスを発揮することが起因しています。逆説的にカラーダイヤモンドでは色の強調されるプリンセスカットが比較的採用されやすいようです。プリンセスカットのエンゲージリングをお探しの場合はカラーグレードには注意してお選びください。形としては縦横の比率が1:1.05以内は正方形としてカウントされる美しいカットです。1:10.5~1.25の長方形のプリンセスカットも有ります。比率が1:1.25以上の形になるとプリンセスカットの範囲外となります。

アントワープブリリアントの鑑定鑑別機関IIDGRでは2019年にそれ迄採用されていなかったプリンセスカットのカットグレードを採用しました。これによって単純に原石の目減りを押さえて研磨されたプリンセスカットに代わって”輝くこと”を目的に研磨されたプリンセスカットが主流となっていきます。

プリンセスカット誕生の秘密

その開発は1977年まで遡ります。当時ダイヤモンドのマスターカッターとして既に名声を得ていたイスラエル・イツコウィッツはダイヤモンドを直線に並べるデザインであるチャンエルセッティングにおいて、石留(セッティング)したダイヤモンドとダイヤモンドの間に隙間がある事が問題だと感じていました。そこでイツコウィッツは隙間のないチャンネルセッティングを完成させるためにカットコーナーを持たないダイヤモンドを作り出す決断をします。ラウンドブリリアントと同様の美しさで隙間の無いセッティングを可能にするダイヤモンド。それを実現するには90度のカットコーナーを持っていてもダイヤモンド全体の輝きを損なわない設計が必要でした。(当時90度のカットコーナーを持つダイヤモンドシェイプはステップカットのバケットカットとエメラルドの隅残しだけでした。)この時イツコウィッツは石の美しさを最大にするカットを望んでいたのです。

イツコウィッツは彼の叔父でダイヤモンドカットの師匠でもあったマスターカッター”イガル・パールマン”(Ygal Perlman)の協力を得て光学的なあらゆる輝きの可能性を試しました。何ヶ月にも及ぶ光学的研究とさまざまな切断方法を用いた数え切れないほどの実験の後、イツコウィッツとパールマンは見事に真っ直ぐな角を持つ新しい正方形のカッティングプラン思い付きました!49の面を持つ美しい四角のカットをクァドリリオンカットと名付けました。※この時クァドリリオンカットの開発チームにはヘンリー・グロスバードやベツァレル・アンバール(Betzalel Ambar)等の著名なマスターカッターも参加していました。

その結果90%の角が隙間を残さずに石を隣同士に並べることを可能にし、切れ目のない輝きの新しい外観を生み出すことに成功したのです。それが現在のプリンセスカットの誕生した瞬間でした。

イツコウィッツによって見いだされた新しい形のダイヤモンド、”クァドリリオンカット”ですが、これをイスラエルのダイヤモンド研磨工たちが真似て多くの四角形のダイヤモンドがこの後登場します。商標回避したチョットだけ変わったクァドリリオンカット(変形バリオンカット)が多く研磨されるのです。そして不思議な事にこの時、イツコウィッツの持つ商標を回避して多くのクァドリリオンカットは”プリンセスカット”と名乗って市場に出回ったのです。シンチレーションとファイヤーに優れたクァドリリオンカットの持つ”凛”とした輝きはプリンセスの様な気品を持ったカットだと多くの人の共感を呼び、クァドリリオンカット、別名プリンセスカットは瞬く間に市場に浸透していきます。

現在ではエンゲージメントリングの実に30%がプリンセスカットを選んでいます。

結果、美しい90度のカットコーナーを持つこの四角いダイヤモンドは本来のクァドリリオンカットの名称よりもプリンセスカットの名前の方が有名になったのです。

こうした事態を受けて1981年にイツコウィッツとパールマン、そしてベツァレル・アンバール(Betzalel Ambar)の開発チームは改めてプリンセスカットを57面(58)と77面(78)で開発して市場に発表し、一般的なカットとして特許フリーのプリンセスカットは、それまで市場に出回った変形クァドリリオンカット論争に終止符を打つことに成るのです。

イツコウィッツはこの間に登場した多くの”自称プリンセスカット”は光学理論上最適なクァドリリオンカットに対して歩留まり(カラットサイズを大きく残す事)優先で光の利率が落ち、結果としてブリリアンスも失われファイヤーも出ない事から”カラットだけ重いが、美しくない”ことを指摘していました。

実際に2005年にはAGSLが研究機関として初めてプリンセスカットのカットグレードを導入します。一部では評価されたもののプリンセスカットは世界的には3C評価のままで、なかなか4C評価には移行していない現実が在ります。そして2019年、デビアスグループの鑑定鑑別機関IIDGRもプリンセスカットのグレード評価を開始します。これによって世界的には初めてグローバススタンダードのカットグレードがプリンセスカットに導入される事になり、最適な輝きを放つプリンセスカットが誕生するのです。

今回光学理論上完全な形にプリンセスカットを仕上げる研磨チームのリーダーにフィリッペンス・ベルト氏が指名されました。プリンセスカットは誕生から40年の時を経て遂に最高の輝きを発揮することになったのです。

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