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ヴィンセント ペルッチ(Vincent Peruzzi)

Vincent Peruzzi ヴィンセント・ペルッチ (ベルッチとも)

ブリリアントカットの開発者

ダイヤモンド研磨の歴史上欠かせない功績のあるベネチアの研磨職人。ジュール・マザラン枢機卿の設計するダイヤモンドをカット・研磨した宝石加工職人。当時ダイヤモンドの世界的な産出量は年間平均40ct程度だった為にペルッチの本業はベネチアガラスの職人だったと言われています。
ペルッチはマザランカット(ダブルカット)を進化させたトリプルカットを考案した。トリプルカットは別名オールドマインカットと呼ばれます。ペルッチは当時の最高の技術を駆使してダイヤモンドの新しい研磨方向を次々解明していきます。トリプルカットではそれまで17面だったクラウンファセットを33まで増やすことに成功します。

ダイヤモンド・オールドマインカット

ペルッチが活躍した時代は加工工具の動力が弱くダイヤモンドの輪郭を自在に整えることは出来ませんでした、ダイヤモンドはクリービング(割る)して形を整え、それを研磨して仕上げるのが一般的でした。左右対称にダイヤモンドを仕上げる事が途方もない時間と労力を必要としたことは言うまでも有りません。

ヴィンセント・ペルッチによって研磨された複雑な研磨面を持つダイヤモンドは当時の法皇や王侯貴族にも愛されました。ダイヤモンドの設計者だったマザランが1636年以降フランスのルイ13世、14世に使えた事により、ペルッチにはそれ迄よりも多くのダイヤモンド研磨の仕事が入ってくるようになるのです。17世紀のヨーロッパはローマ教皇を中心にした権力ピラミッドが出来ており、その下に国王が居ると言うものでした。カトリックという宗教が力を失い代わって国が力を持ってくる時代でした。自由な貿易を行えたベネチアやブルージュ、アントワープなどが経済的な要所となっていくのです。

ペルッチが研磨したブリリアントカットは様々なダイヤモンドの形状に適応でき、それぞれの形+ブリリアントカットの名前で呼ばれる様になります。ハートシェイプブリリアントやオーバルブリリアント、中でも一番有名なのはラウンドブリリアントです。

ブリリアントカットは①スターファセット②ベゼルファセット③アッパーガードルファセット④ガードル⑤ローワーガードルファセット⑥メインパビリオンファセット⑦キューレットの7項目とテーブルを併せ持つダイヤモンドのカット形状の総称

⇒ダイヤモンド研磨の歴史

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