ヨーロピアンカット(EuropeanCut)
ヨーロピアンカットダイヤモンド
1880年代以降ヘンリーDモースとチャールズ・フィールドによって開発された蒸気機関式ブルーティングマシーンでダイヤモンド研磨は新たな局面に突入します。ブルーティングマシーンの発明以前ダイヤモンドは総じて四角い輪郭をしていました。それはダイヤモンドの輪郭を丸く研磨する事が出来ない為でした。モースは、ダイヤモンドの光学特性に関する研究を継続的に行っており、最終的には、ガードルをテーブルのファセットの下の3分の1、パビリオンの3分の2に上げるように設計します。ダイヤモンドの光学特性を考えるとダイヤモンドの比率を変更する必要があると結論付けたのです。
モースは人類がこれまで見えなかったダイヤモンドの輝きを引き出す事に成功したのです。これにより、真に丸い輪郭と良好な光学的比率を備えた最初のダイヤモンド「アメリカンカット」が誕生しました。モースのダイアモンドプロポーションの研究は、後にマルセルトルコフスキーによって普及し、いわゆる「理想的なカット」ダイアモンドに至りました。その後フィールドの発明とモースのダイヤモンドのプロポーションがヨーロッパで採用され、「ヨーロッパカット」が誕生します。
ヨーロピアンカットの登場したころはダイヤモンドをソーイングして切断する事は非常に困難でした。電気の高馬力で駆動できるソーイングマシーンが出来るまでは出来るだけソーイングの面積を小さくする必要が有りました。その為横から見て8角形のダイヤモンド原石の形を活かした(クラウンを大きくデザインした)フォルムが主流でした。
これについてGIAは現行のカットグレードで評価した際にヨーロピアンカットはフェア、もしくはプア評価となりますが、カットの開発された時代背景を鑑みてグッド以下にグレードされない事を約束しています。またヨーロピアンカット等のオールドカットにはアンティークカットにしか表現できない美しさが有るとも解説してます。