Eタイプ
Eタイプ
ダイヤモンド中のインクルージョン(内包物)は鉱物の種類や化学組成からPタイプとEタイプに大別されています。その内ダイヤモンドの内包物がEclogite(エクロジャイト)起源のダイヤモンドをEタイプと呼びます。Eタイプのダイヤモンドはパイロープ、アルマンディン、等のガーネット族とオンファサイト、ルチル、カイヤナイト、クロマイトなどを含みます。このようなPタイプとEタイプの相違は母結晶のダイヤモンドの生成起源に関連しているのですが、キンバーライトから産出するボツワナ等アフリカ産は基本的にPタイプに分類されます。
オーストラリア、アーガイル鉱山はランプロアイト(アンプロアイト)鉱床でタイプ1Aのダイヤモンドの内包物パターンは殆どEタイプです。※鉱山を運営するリオティントはアンプロアイト鉱床の採掘方法について情報開示をしていません、地下資源採掘では独自の地層に対して独自のノウハウを使うため珍しい事ではありません。
2020年アーガイル鉱山が閉山したことによってEタイプの内包物を持つダイヤモンドの新規産出は大規模鉱山では事実上0となりました。ダイヤモンドは地上で最も高い硬度を持つ鉱物であり、しかも地下150キロ以上の超深度で結晶しており、結晶深度で取り込まれる地底情報を内包したまま地上まで運ばれているために地層学や地球の成り立ちを研究する研究者の間でもダイヤモンドは大変貴重な研究材料です。しかも2017年に発見された超深度起源ダイヤモンド等は高度な成分検査機が開発されている昨今再注目を集めていますが、ダイヤモンドを含め地球の成り立ちについて、科学ではまだまだ不明な点が多く謎に包まれているのです。