クッキング(Cooking)
クッキング(Cooking)は宝石の加熱処理を指す業界用語で、原産地ではスラング的に用いられる。ルビーやサファイヤの仕入れの現場で「クック」と言えばそれは加熱処理をしている事を指しています。ドクタードと殆ど同意義で使われます。古くはブラックオパールの砂糖液付けを硫酸煮沸する処理等もクッキングと呼んでいた。
ブラックオパール等は大規模な企業ベースでの採掘ではなく多数の小規模事業者によって採掘されているために家庭内で出来る処理が横行した事によると思われます。ルビーやサファイヤよりももっと簡単に処理できるアクアマリーンやアメシストなどの低温加熱処理の最も簡単なものは家庭用コンロを使ってフライパンで宝石を加熱する事から来ていると思われます。※写真のブラックオパールは無処理です。
2000年に発見されたサファイアのベリリウム新加熱処理の際にタイの加工業者は【まだまだいろいろなクックが有ってそれは大丈夫】と意味深な発言をしていた。CGLやギュベリン研究所等色石鑑別の最前線ではこうした新しい処理宝石と日々向き合って様々な技術で看破しています。