ピーター・ボンベク(pieter-bombeke)
アントワープの生きる伝説マスターカッターの一族
ピーターボンベク(Pieter Bombeke ボンベケとも)はベルギーのダイヤモンドカッター・マスターカッター・ポリッシャー
ベルギー・アントワープでその人ありと言われるダイヤモンドデザイナー・カッター・ポリシャー・トレードマークは「ベレー帽、メガネ、灰色の口ひげ」、アントワープのダイヤモンドストリートでは100m向こうから歩いてきても誰かがわかる有名人です。
ダイヤモンドの研磨にはデザインや設計をする仕事と、実際に作業(ポリッシュ)を行う作業の大きく二つの仕事が在りますが、ポンベク氏はその両方を得意とする稀有なダイヤモンドデザイナーでポリシャーです。3世代続くダイヤモンド研磨の家庭に生まれた彼は祖父からダイヤモンド研磨のノウハウを学び研磨のキャリアをスタートさせました。そしてマスターカッターとなった彼はダイヤモンドの光学特性を学び新しいアプローチでダイヤモンドをデザインしたのです。
特殊カットはダイヤモンドの輝きの基本を押さえて開発される
彼の発明カットであるドリームキャッチャー&デビッドスターは50年たった今でも変形カットの草分け的作品として世界中から高い評価を受けています。
テクノロジーが発達した現代においては、レーザースキャナーを使ってダイヤモンドを検査すれば どのように研磨したら最も効率よく原石からダイヤモンドを削り出す事が出来るのか?がデータとして明らかになります。しかしボンベク氏はそれではダイヤモンドが画一的な存在となってしまって面白味に欠けると言います。またダイヤモンド原石の持っている”個性”を引き出すことにはつながらないとも、、、一つ一つの原石と向き合いそのダイヤモンドにとって最良の研磨結果に導く作業はダイヤモンドカッター・ポリシャーとして最高の喜びだとボンベク氏は言います。
「ダイヤモンドを工業製品ではなく1つの彫刻作品の様に取り扱い、世界に二つと同じものの無い天然の美しさを引き出す事こに全神経を集中するのです。原石の価値ではなく、顧客のために作成したい結果という想いに焦点を当てる必要があるのです。研磨されたすべてのダイヤモンドは、とにかく芸術作品であり、目的はこのアートワークを完成させることです。」
現在ボンベク氏の元には世界中の重要なダイヤモンド原石が持ち込まれ、彼の手で研磨されることを依頼されています。依頼主は研磨前のダイヤモンド原石をどのように仕上げれば最高の美しさにたどり着くのか?ポンベク氏と何度もミーティングを重ね最終的にどんな形に仕上げるかを決定していきます。人件費の安さではインドやアフリカに敵わないベルギーではやはり重要なダイヤモンド原石が中心に研磨されているのです。
彼の活躍はその功績を認められガビ・トルコフスキーと共にアントワープのダイヤモンド博物館に作品が常設展示されています。
https://www.awdc.be/en/pieter-bombeke