ガビ・トルコフスキー(Gabi Tolkowsky)
ガビ・トルコフスキー(Gabi Tolkowsky)1939~2023
ガビ・トルコフスキーはベルギー出身、2023年に没するまで現役で現代におけるもっとも著名なダイヤモンド・デザイナー・ポリシャー・マスターカッターとして有名な人物でした。
ベルギーのダイヤモンド加工業の名門トルコフスキー家の一員で一族では6代目に当たります。ガビ・トルコフスキーは世界最大のダイヤモンドを研磨した功績や業界に貢献した多くの攻勢をたたえられて2003年にベルギー政府より「Chevalier de L’Ordre du Roi Leopold II」勲章を授与されました。
ダイヤモンド業界におけるトルコフスキー家の活躍は大きく一族の2代目に当たるモーリス・トルコフスキーはダイヤモンドのブルーティングマシンを発明しました。この発明はダイヤモンド研磨を考える上で非常に重要でダイヤモンドをフェイスアップで見たときの輪郭を決定するものでした。
(モーリスの開発した部ルーティングマシーンはその後アメリカのヘンリー・D・モース(Henry D Morse)がダイヤモンドを用いたブルーティングマシーンの開発へとつながっていく重要なアイディアでした。)モーリスはイサドールとサムの3兄弟で彼の兄弟のサムはアントワープダイヤモンド取引所の最初の議長に選出された人物です。
そして一族の4代目にはブリリアントカットの原点を光学理論を用いて設計したマルセル・トルコフスキーが居るという輝かしい経歴を持つ一族なのです。
※BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーではガビ・トルコフスキー氏の考案したダイヤモンド【アストラリス】をセッティングする事が出来ます。
世界最大の研磨済みダイヤモンドの加工を担当
1951年に彼の曽祖父に当たるジャン氏に師事してダイヤモンド研磨の道を志すと才能を発揮していきます。1970年には研磨の実力が認められて頭角を現していたガビトルコフスキーはデビアスグループ・ディアトラダのマネージングディレクター兼会長に就任します。1985年には自身初のオリジナルカット「フラワー・カット」を発表してデビアスグループのコンサルタントとしても活躍します。
現存する地球上で1番大きなダイヤモンドは、タイ国王の王位継承50周年記念として献上された、545.65カラットの「ゴールデン・ジュビリー」です。そして、地球上で1番輝く最高品質のダイヤモンドは、デビアスグループの100周年を記念して制作された247面の超高品質の「センティナリー」です。(2019年にD-FLとしては二番となりました)この歴史に残る、2つのダイヤモンドをカットし研磨したダイヤモンドカッターが、ガビS.トルコフスキー氏なのです。
小さなサイズのダイヤモンドにも活かしたダイヤモンド加工のノウハウ
そしてセンテナリーダイヤモンドとゴールデンジュビリーダイヤモンドの研磨中に学んだテクニックと、「フラワーカット」での経験から、ガビ・トルコフスキーは世界初のトリプルブリリアントカットダイヤモンドであるガブリエルダイヤモンドを作成しました。
フェイスアップでラウンドシェイプのガブリエルダイヤモンドは、105個のファセット、クラシックラウンドブリリアントカットよりも48個多いファセット(追加の8個のクラウンファセットと40個のパビリオンファセット)で構成されていました。 ガブリエルダイヤモンドは、当時最高とされたラウンドブリリアントカットよりも優れたカットと称賛されました。その輝きはシンチレーションが測定値で200%以上と判定されるほどでした、そして同時に、大きな輝きとファイヤーも示したのです。ガビの設計したガブリエルダイヤモンドはすべての角度から輝くように見えるように設計されていたのです。
そしてガビ・トルコフスキーはそれまでのダイヤモンド研磨のノウハウを全て詰め込んだ新型デザインを発表します。それがBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーでも取り扱う「アストラリスダイヤモンド」なのです。※アストラリスダイヤモンドをお求めの方は店頭スタッフまでお問い合わせください。
またガビ・トルコフスキーは、原石からダイヤモンドを作成することに関する2000年のドキュメンタリー映画 『The Play of Light』でもインタビューアーとして多くの情報を世界に発信しています。ガビ・トルコフスキーは現存する最も有名で影響力のあるダイヤモンドデザイナーでありポリッシャ・マスターカッターでした。
そして2023年5月28日、自宅の有るイスラエルのテルアビブでガビ・トルコフスキーは84歳でこの世を去ったのです。