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クラリティ エンハンスメント

クラリティエンハンスメントはダイヤモンドの外観の改善の為に行われるエンハンスメント処理。通常ダイヤモンド以外の宝石では天然石の範疇となる処理方法が決まっており、天然の範疇となる処理を”エンハンスメント”、天然の範疇を超えて処理石となる処理を”トリートメント”と区別しています。しかしダイヤモンドにはもともとエンハンスメントという概念がない為に、処理を施したダイヤモンドは全てトリートメント処理扱いとなる為にクラリティエンハンスメントを施したダイヤモンドは天然石と呼ぶ事が出来なくなり天然石の範疇を超えてしまいます。現在の鑑定鑑別技術を駆使するとGIAやデビアス、CGL等の細心の鑑定情報を持つダイヤモンド鑑定鑑別機関では容易に看破できるためほとんど市場では見かけなくなりました。

ダイヤモンドの見た目のクラリティを改善するエンハンスメント方法は主に二つあります。レーザードリリング処理とフラクチャー充填処理です。レーザードリリングは、小さくて色の濃いインクルージョンを除去するためにに用いられます。レーザーでダイヤモンド内に小さな穴をあけインクルージョンを硫酸やレーザーで焼いて除去するか、または溝を作りそこから漂白剤やガラス等を流し込む等、後述するフラクチャー含侵を施してインクルージョンの外観を大幅に改善します。

鳥の羽のような外観でフェザーと呼ばれるダイヤモンドの内包物

フラクチャー充填は、フェザー等(上写真)のダイヤモンドの内包物の内、文字通り割れ目をなしている孔隙部分(フラクチャー)にガラス状の物質を注入し目立たなくする処理です。フラクチャー含侵されたダイヤモンドを処理に気が付かずに鑑定するとクラリティグレードが大幅に改善されて取引価格が上昇します。レーザードリルもフラクチャー含侵も本来低品質のダイヤモンドを高額で販売するための騙しの技術なのです。

含侵に用いられる物質は本体のダイヤモンドのような永遠性は在りませんので、衝撃でダメージを受けたり摩耗によって削れることが有ります。また超音波洗浄機で除去されてしまう事も。ただし処理の技術も向上しており、処理を行う技術者の腕前が高い場合は看破が難しい場合が有ります。また現在の鑑別技術で看破されていない素材を使った含侵なども十分な注意が必要です。

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