セレツェ・カーマ(Seretse Khama)
セレツェ・カーマ(Seretse Khama、1921年~1980年)
ボツワナの初代大統領。1966年にイギリスの保護区から独立したばかりの当時のボツワナにはこれといった産業がなく、世界最貧国20カ国に数えられていた。国民はほぼ牧畜のみで生計を立てており、政府の必要経費すらイギリスからの援助に頼る状態であった。サバンナ機構のボツワナでは農業の開拓も思うようには進まず、産業化するには程遠い状態でした。独立時、イギリスからは南アフリカへの併合も提案される位のレベルだったようです。さらに周囲は、南アフリカ共和国(イギリス・オランダ系ボーア人)とローデシア(ザンビア・ジンバブエ)西アフリカ(ナミビア・ドイツ)等の白人国家に完全に囲まれており、近隣外交においても白人諸国への忖度と妥協なしでは国家財政は殆ど破綻状態で国家存続すら危うい状況であった。
しかし独立から一年後1967年、チャールズ・フィプケ氏やヒューゴ・ダメット氏らの冒険家チームによって中部ボツワナの砂漠地帯で世界最大級のダイヤモンド鉱脈が発見されたのである。この鉱山はオラパ鉱山と名付けられた。この経緯については諸説あるがカーマはすぐさまイギリスの地下資源王手でダイヤモンドに特化していたデビアスに鉱山開発を依頼。フィプケ氏やダメット氏にとって不利な契約で鉱山発見者にもかかわらず利権の全てはイギリス系鉱山企業デビアスに奪われることに成ったのですが、ダイヤモンドという地下資源を手に入れたことでボツワナ政府は安定的な財源を得ることができるようになったのです。その後ジュワネングが発見される頃にはデビアス自体が弱体化していた事も在り株式を50%50%の半官半民の採掘企業”デブスワナ”の設立に繋がっていくことに成る。