インクリュージョン(Inclusion)
ダイヤモンド内部はまるで小さな宇宙のようなインクルージョンの集合体
インクリュージョン(インクルージョンとも)とは宝石内部に(ダイヤモンド)内包された不純物や別の結晶など。ルビーやサファイヤエメラルドなどでは特定の内包物を含有している事で産地の特定が出来るものや、色原因を突き止める事が出来る場合もある。色石の場合は産地によって取引価格や価値が異なる場合もあるので内包物を確認して産地オリジンを見抜く事は宝石バイヤーにとってとても重要なスキルと言える。
上写真はダイヤモンドの内包物(インクリュージョン)として一般的なフェザーの写真
ダイヤモンドの4Cグレード”クラリティ”では10倍の拡大鏡を使って内包物の有り無しとその程度でグレードを判断します。通常インクリュージョンは別の結晶のダイヤモンドであることが多い、その他の結晶である場合にもダイヤモンドが結晶した40億年前にダイヤモンド内部に残った不完全部分である事も多い。
宝石は本来不完全な中に美しさを見つけるもの。時として内包物にはロマンが詰まっている場合もあるのです。ダイヤモンドの鑑定鑑別機関内CGLやデビアスなどプロットと呼ばれる手書きの内包物チェックをしている機関では内包物の位置が目視で確認しやすい。
2017年に発見された超深度起源ダイヤモンドでは、それまでダイヤモンドが結晶していると考えられていた地下150~200キロよりも深い場所にしか存在しないはずの内包物(内包成分)の発見がきっかけとなっている。
ダイヤモンドは地上に存在する最も堅牢な保護カプセルとなって地下の情報を地上へもたらす為に多くの研究者によって研究が進められている。最新の研究ではCLIPPERクリッパーと命名された超深度起源ダイヤモンドは結晶の生成条件そのものもが普通深度のダイヤモンドとは異なるという見解が発表されている。宇宙誕生の秘密に迫る手掛かりをダイヤモンドは持っているのです。
⇒ダイヤモンドのクラリティ―について
⇒内包物の種類について