ダイヤモンドは男の宝石?
婚約指輪や結婚指輪を店頭でお選びになる多くの男性は『女性のために』リングやダイヤモンドを用意してあげようとしてご来店されます。男性から女性へ送られるダイヤモンド、しかし結婚指輪はともかくとしても少なくともエンゲージリングのダイヤモンドは男性の宝石なのです。
男性から愛する女性へ贈られる想い
ペアジュエリーでもある結婚指輪はそもそもお互いの分身を身に着け合うという意味があります。有名なところではプロスポーツ選手が試合に勝ったり何か成功した際に”リングにキスする”シーンをご覧になったことの有る方も多いのではないかと思います。(ヨーロッパのプロサッカー選手がゴールを決めてリングにキスのパフォーマンスは有名ですよね!?)あのキスは分身となった女性の助けがあってこの成功がある事への感謝のキスだといわれています。婚約指輪にはそこにさらにダイヤモンドがセッティングされています。男性の想いの込められたダイヤモンドが何時も男性の代わりに女性を守るという意味も込められています。
さらにダイヤモンドは二人の間に生まれてきて想いを受け継ぐ人に、二人から最初に選ぶ贈り物として受け継がれることが既に決まっています。ファーストジュエリーとしてベビーリングやSweet10などもありますが、実はプロポーズの時に贈るダイヤモンドこそ真のファーストジュエリーなのです。
どうして男性の宝石と呼ばれるのか?
ダイヤモンドが結晶したのは少なくとも9億年以上前と言われ、古いものは45億年前のものも存在します。そしてダイヤモンドはその比類なき性質から『宝石の王』といわれ、人類はその永遠の輝きに”想い”や”夢”、”愛”や”人生”を託してきました。45億年というダイヤモンドが積み重ねた時間に比べると人間の人生なんて”ほんの一瞬”です。だからこそ”征服されざる永遠”に託すのではないでしょうか。
BRIDGEでは大切な人に想いを託してダイヤモンド(宝石)を贈るのは、とても素敵なことだと考えています。そしてそんなステキなことが広がって、ダイヤモンドを使う人の周りに多くの笑顔や笑いが有れば良いですよね。
歴史を振り返ってみてもダイヤモンドの持ち主はほとんどが男性です。有名なダイヤモンドは特にそうですが権力の象徴だったり力の象徴として用いられたことから時の権力者が所有者だったケースがほとんどでした。結婚の記念品としてエンゲージリングのダイヤモンドはも1900年代前半まで王侯貴族等の上流階級だけの特別な文化でした。しかしその後、地下資源の採掘技術が飛躍的に上昇しダイヤモンドを多くの人に届けれるようになったことや、世界が平和で豊かになったことで多くの方がダイヤモンドを楽しむことができるようになると一般的にも婚約の記念品としてダイヤモンドを贈るようになっていったのです。
プリンセスマリーとマクシミリアン大公
人類で最初にダイヤモンドを贈られた女性はブルゴーニュ公国の公女マリーであったとされています。婚約者だったハプスブルグ家のマクシミリアン大公はマリー公女にプロポーズする時に、マリーの父であったシャルル突進公へのオマージュとしてダイヤモンドを贈ったとされています。1470年代はダイヤモンドが大変珍しい宝石であったことや研磨できる職人が極端に限られており宝石としてのダイヤモンドを手にできたのは王侯貴族の中でもトップクラスの要人だけでした。
ちなみにこの時ダイヤモンドの研磨を担当したであろう職人はブルージュのルドウィック・ヴァン・ベルケムでした。当時ベルケムはローズカットなどのダイヤモンドの新しい研磨方法を開発した第一人者でした。マリーの父シャルルがベルケムに支払ったダイヤモンド研磨の報酬は3,000ダカットだったとか、1ダカットはベニスで発行された純金の金貨。重さ約3.5gですから3,000ダカットは。。。。ざっと純金10,500gです。金1グラム2017年現在約5,000円とすると・・莫大な金額です。
ベルケムの「ダイヤモンドとプロポーズ物語」
そんなベルケムにまつわる言い伝えで、ベルケム自身が婚約したいと願った女性に求婚したときのエピソードが残っています。
宝石研磨師の道を志したばかりの若かりしベルケムは研磨師の親方(師匠)の娘に恋をします。そして二人はいつしか愛し合うようになりベルケムはプロポーズします。しかしまだ駆け出しだったベルケムとは身分が違った親方(師匠)はベルケムに”ある事”が出来たらお前を一人前と認め結婚を許すと言います。親方(師匠)は暗に無理難題を出してベルケムに娘との結婚を諦めさせようとしたのでした。そのお題とは・・・【ダイヤモンドを磨く】というものでした。当時ダイヤモンドは切断したり割ったりすり事は出来ましたが研磨して光らせる事が出来ませんでした。そのためルビーやサファイヤに比べてもダイヤモンドの宝石としての重要度は低く宝石としても注目を集めていませんでした。そのため当時の宝石研磨と言えば色石が中心で、ダイヤモンドは石にも字を書いたりする道具として使われていたのです。ダイヤモンドを磨く、それは長年ダイヤモンドなどの宝石を取扱っていた親方(師匠)を含め名売ての研磨者にもなしえなかったことだったのです。
諦めきれないベルケムは寝る間も惜しんでダイヤモンドを磨くことに没頭します。しかし・・・数多の先人が挑んで出来なかったことが、いきなりベルケムにできるはずもありません。何年もの間 試行錯誤を繰り返し挑戦しましたが、ダイヤモンドを磨く事はどうしても出来ない!ついに投げ出してしまったベルケムは研磨しなければならないダイヤを放り出してしまいました。
その時です。
ベルケムの投げたダイヤモンドが何かに当たって火花を散らしました。「?」その火花を見逃さなかったベルケム、それまでベルケムがどんなに頑張って試行錯誤して様々挑んでもビクともしなかったダイヤモンドが火花を出した・・・何に当たったのだろうか?ベルケムが自分で投げたダイヤモンドのところまで行ってみるとそこには偶然にも別のダイヤモンドが在ったのでした。ベルケムはこの事をヒントにダイヤモンドをダイヤモンドで磨くという全く新しい研磨法を編み出し見事に親方(師匠)のダイヤモンドを磨き上げました。
それを見た親方(師匠)は娘との結婚を承諾し、晴れて二人は結ばれたと言いう事です。
その後のベルケムは大活躍し稀代の宝石研磨師へと昇り詰め幸せな結婚生活を送るのです。