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よくある質問

プリンセスカットはラウンドより安いと聞きました

プリンセスカットは原石ロスが少なく大きなサイズが安価と聞きました。

カットグレードが良くなるとダイヤモンドは原石からのロスト率が上がるために価格が上昇します。質問の答えとしてはカットグレードが下がるとカラットに対して安価になります。一般的にプリンセスカットにはカットグレードが在りませんでしたので”カットの良くないカラットの重い”ダイヤモンドがラウンドブリリアントよりも多かったので「プリンセスカットの方が安い」となったのですが、現在はカットグレードの良いプリンセスカットはラウンドブリリアントと価格は同等です。

以下この項目ではなぜそういう事が起こるのか?を説明いたします。まず最初にプリンセスカットについて調べていると複数のWebサイトで同じような事が書いて有ります。中でも気に成るのか①プリンセスカットは原石のロスが少ないカットなのでラウンドブリリアントよりも安い②繊細なカットなので割れやすいの2点ではないでしょうか?このFAQでは①プリンセスカットは本当にラウンドブリリアントカットよりも安いのか?そしてそれは何故なのか?を解説したいと思います。

グレードの高いプリンセスカットはラウンド同様高値で取引される

一般的なプリンセスカットの紹介サイトで(それなりに専門的で有るはずの)は1.5ctのダイヤモンド原石からラウンドブリリアントなら0.7ctしか取り出せないけど、プリンセスカットなら1ctが取り出せるというような記述をよく見ます。この場合のラウンドブリリアントカットの形状はトリプルエクセレントを想定しているようです。と言うのもトリプルエクセレントは原石からの目減り55%で、45%程度しか研磨済みのダイヤモンドで残らないのです。では1.5ctのダイヤモンド原石からカットグレードに拘らない場合ラウンドブリリアントカットで1ctは取り出す事が出来ないのでしょうか?答えは出来るです。

カットの悪いプリンセスカットは安価

逆説的になってしまいますが、1988年にGIAによって計算されたエクセレントカットダイヤモンドの光の挙動表はダイヤモンドを横から見た図で計算されていました。これはラウンドカットでもオーバルカットでもハートでもスクエアでも横から見てこの比率にカットすれば光の利率は高くなるという計算です。※1919年にマルセル・トルコフスキー氏が発表した旧型の理論でも55%程度をロストします。

このダイヤモンドのカット理論で示された歩留まりは原石から55%ロストするという内容だったため研摩済みダイヤモンドをカラット重視で仕上げる場合には採用される事は在りませんでした。これはプリンセスカットの様な4C評価でカットグレードが無いダイヤモンド全般に言える事ですが、カットグレードが無いので基本的に歩留まり優先で研磨仕上げをするのです。その為上記の1.5ctのダイヤモンド原石から取り出した1ctのプリンセスカットはカットグレードが低くなります。要するに輝かないのです。※歩留り重視とは:ダイヤモンドのカラットを出来るだけ残して重く(大きく)仕上げる事。

1.5ctのダイヤモンド原石からトリプルエクセレントのプリンセスカットを研磨仕上げした場合、仕上がりは0.7ctに成ります。原石のロスト率はラウンドブリリアントとほぼ同じです。これはカットの良いダイヤモンドではどんな形で有っても同じ結果に成ります。結論としてプリンセスカットの説明として”ダイヤモンドの素材を最大限楽しめる”や”歩留まりが良いので安価に手に入る”は大きな間違いなのです。歩留りの良いダイヤモンドはそのサイズはあるモノの輝きは劣りますのでダイヤモンド本来の輝きを楽しむことは出来ないのです。

また1990年まではグリーピングによって失われたダイヤモンド原石の残り55%は別の研磨済みダイヤモンドとして利用できませんでした。実際に1990年まではノミのような加工工具を使って”打撃”でダイヤモンドを叩き割っていました。グリーピングでは本体のダイヤモンドを砕かないように加工するために、ロストする方は本体をグリーピングする際に粉々になってしまいます。”運よく割れず”に残れば、それはラッキーの世界だったのです。1990年以前、加工技術がまだまだ未熟だった時代には、本体のダイヤモンド以外は大きく砕けてしまう為に、一つのダイヤモンド原石から二つの研磨済みダイヤモンドを最初から予定する事は困難でした。またグリーピングでは本体がダメージを負わないように最大限ケアして行われたために小さい方は大きなダメージを避けれず、通常劈開後には使い物に成りませんでした。

エクセレントカットのダイヤモンド設計図は1988年にGIAによって発表された1990年レーザーソーイングで歩留まりと言う考え方はあまり使われなくなりました。

左図で見ていただくと判るように上と下では取り出すダイヤモンドの研磨角度が異なります。その為上下二つのダイヤモンド原石から取り出す研磨済み4個のダイヤモンドの内最大サイズは上図のダイヤモンド原石から取り出す下のピーズとなります。カラットサイズは最大となりますが輝きは下の原石から研磨仕上げする2ピースに劣ります。

そしてこのダイヤモンド原石を上で仕上げても下で仕上げてもダイヤモンド原石から研磨仕上げする最終的なダイヤモンドの金額はほとんど同じになるのです。

上図の下、サイズ最大ダイヤモンドと下図の下、ダイヤモンドはカラットサイズで0.7ctのグッドカットと0.5ctのエクセレントで販売価格はほとんど同じとなります。また上図の上のダイヤモンドと下図の上のダイヤモンドも販売価格はほとんど同じとなる為に、ダイヤモンド原石のロスト率と言う概念は現在のレーザーソーイングの技術を使った場合には考える必要が無くなったのです。

それはプリンセスカットでも同様の事が言えるのです。現在プリンセスカットについて説明している多くの記述には、不正確であるとは言いませんが、そうした表現の問題点が有るのではないでしょうか?

これは宝石学のアップグレードが2000年頃からなされていない文献を使って勉強していたり、最新の研磨工場と情報交換していない業者にありがちな事でもあります。

2020年現在の認識として、カットグレードの良いダイヤモンドは総じて元々のダイヤモンド原石からの歩留まりが良くありません。しかし、レーザーソーイングで切り出された小さいダイヤモンドもロスなく仕上げるとが出来るために原石から取り出されえる最終的な研磨済みダイヤモンドの量としては とても効率よく研磨できています。これは大きな本体の研磨済みダイヤモンド単体で考えると55%ロストして歩留まりは良くないとなりますが、ダイヤモンド原石全体で考えると、大小二つのダイヤモンドを取り出す事が出来ているので歩留まりは良いということに成るからなのです。

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