こんにちはBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。
今日はエンゲージリングの等にメイン宝石としてセッティングされるダイヤモンドについて、しかもそれを留めている爪についてご案内いたします。
エンゲージリングなどのメイントーンを留める爪(プロング)はダイヤモンドをリングから外れないように固定しているだけでなく見た目にも大きな影響を及ぼします。良くお客様から爪の本数でリングの強度は変わるのか?と言う質問を頂きますが、実は爪の本数ではあまりリングの強度は変わりません、まぁ厳密には4点よりも6点で留めた方が少しだけ石ハズレやゆるみのリスクは少ないかもしれません、しかしダイヤモンドはキューレットを保護するように設けられた石座に置かれて、それを上から爪で抑えますので爪が仮に一つ立ち上がったくらいでは枠から外れてしまう事は在りません。4本爪で4本すべて外れてしまったら枠から外れてしまいます。しかし、4本すべて立ち上がったり外れてしまうまで気が付かないって言うのもなかなかない事なのかな?と思います。
急な衝撃で4本外れる事が有るとするとリングを装着している左手もタダでは済まない位のダメージを受ける可能性も有るのではないでしょうか?それくらい強固にダイヤモンドを留める爪(プロング)は作られています。
BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーではダイヤモンドを爪留めする際にスターファセットの先端を頂点としたダイヤモンドの外周8つのポイントに爪を置くようにデザインしています。とても細かな作業でこれを正確に行える職人は非常に稀なのですが、ファセットラインはダイヤモンドの輝きの方角を左右する物ですので、爪(プロング)を合わせてダイヤモンドをセッティングする事を私たちはとても重要な事だと考えています。
スターファセットに合わせて爪を配置
下写真はラウンドブリリアントカットのスターファセットの位置が判る写真です。スターファセットはテーブルファセットに隣接する最初のファセットで三角形です。しかもその面は全て外側を向いているように配置されていて放射状の輝きが特徴のブリリアントカットには欠かせない面なのです。
スターファセットは研磨レベルが如実に表れる部分です。テーブルファセットの外側に配置されてスターファセットの外側にはカイトファセット(べセルファセット)が続きます。三角形からの変形四角のファセット、そしてアッパーガードルともう一回三角形のファセットへと続きます。1つ1つが少しでもズレてしまうと輝きを損なってしまう重要な役割を持ったファセットです。
スターの先端は二つのカイトファセットに繋がっていますので頂点の位置を間違って研磨してしまうと、全体が崩れたような印象の見た目に成ってしまい美しくありません、(それでもシンメトリー対称性エクセレントExcellent評価が獲得できる場合もありますので注意が必要です。その程度についてのお店なりの判断の話です)BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーではそうした研磨のミスをすべて排除します。研磨の作業を担当するのはフィリッペンス・ベルト氏ですので当たり前と言えば当たりまえなのですが、
そうして作り出されたスターファセットの先端に天地左右の爪を置きます。6点留めなら上下(天地)位置の爪はその延長線上の配置します。するとどうでしょうか?ダイヤモンドの輝きが正面をしっかり向いているように見えませんか?これとは別に石留に対してそこ迄美学を持ったずに作られたエンゲージリングを雑誌で見かけますが、私にはどうもダイヤモンドが斜めにかしがって居るようにしか見えません、、、とっても残念な感じですよね?
アントワープブリリアントの職人は新潟県十日町の彫金職人達です。私たちのアトリエは一人の職人がリングの製造工程で担当するのはほんの一部だけ、それぞれに得意分野の違う職人達ですので、それぞれに最も力を発揮する分野を担当します。お店によっては一人の職人が製造工程のすべてを担当しますなんて言う話も聞いたりしますが、私たちの指輪は複数の専門職人の手を経て完成されます。
このスターファセットの先端延長位置に爪を配置する作業は”石留”の職人が担当します。
ボクシングの世界王者になられた井上尚弥選手の言葉にもある様に”1万時間の練習”の様にまさに石留だけを専門に10年以上のキャリアを積み上げた専門職人だけがエンゲージリングのメインストーンをセッティングする事が出来ます。リングの加工アトリエでも石留は花形なのです。
どうでしょうか?4爪留めのプロングが全てスターファセットの頂点と向き合うような位置に配置されたダイヤモンドリングは?見た目も美しくそしていっそ凛とした清楚な雰囲気を醸し出していると思いませんか?という事でファセットの位置は見た目にとってとっても重要なんです。皆様もそんな視点でエンゲージリングを見てみてください。