皆さんこんにちはBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。
今日は内側甲丸仕上(うちがわこうまる)についてご案内いたします。先日もお客様から「このお店は内甲仕上げですか?」と言う質問をよく聞きます。しかも、かなり頻繁に、、、何が起こっているのでしょうか?内側甲丸仕上は結婚指輪に限らずリング作りの現場では当たり前に使われる技術です。それをいまさら、、、何なんだと思って調べてみました。
そしたら以外にもそれを”売り”にしているお店多いんですね!?意外です。20年前ならいざ知らず時は令和2020年ですよ!?って言いたくなる。まず最初に申し上げるのですが内甲丸仕上は かなり普通の事です。逆に内甲丸仕上では無いリングを探す方が難しいのではないでしょうか?
例として4つのリングの断面を書いてみました。この内①と④は通常仕上です。いわゆる①平打ちや④月甲と呼ばれる昔からある仕上げです。ちなみに鋳造キャスティングが主流の現在では原型となるWAXのリング内径を仕上げないで外側のデザインだけを手掛けるとリングの断面は基本的にこういう形に成ります。しかし、リング装着時の指当たりが強く、しかも場合によっては角が尖って仕上がる事も在るためにつけ心地はあまり良いとは言えません、むしろ悪いのかな?
内甲丸仕上は②③の二つです。指に当たる部分が丸く仕上がっているためにリングのつけ心地が良く着脱もストレスが在りません。普通に考えたらほんのひと手間でつけ心地や使用感が劇的に良くなるこの仕上をどうして施していなかったんだろう?となりますよね?
しかし、キャスト技術とWAXの出はじめだった1980年代は、内側の形状を整える、そのひと手間をかける事が出来ない工場が多かったのです。当時の結婚指輪はカットリングと言う鍛造製法が主流でした。鍛造ですので裁断機等を使って大量生産していますので、その一本一本のリング仕上げまで手を回すメーカーは少なかったのです。事実そのままでも普通に売れていました。大手になればなるほど量産クオリティに成りますので内側甲丸仕上でないことが普通の事だったのです。
しかし現在では大量生産品はあまり売れなくなり、ハンドメイドで結婚するお一人お一人にしっかりリングを創っていくというスタイルに業界全体が変化してきました。ファッションジュエリーも品質を追い求めるようになり、伴ってリング内径の仕上げにも職人たちのひと手間をかけて拘るようになってきたのです。
BRIDGE銀座は実は昭和17年からジュエリーを販売していますので、加工の現場で内甲丸仕上が徐々に導入されていくのを実際に体験しています。そして現在ではJIS企画で内甲丸仕上のリングゲージが販売されるほどに浸透しているのです。
公的な機関が公にサイズゲージを作るほどの規格が特別な技術のはずが無いのは簡単にご理解いただけると思います。という事でハンドメイド系のジュエリーをお求めになる場合、内甲丸仕上は例えるなら、、、
車を買ったらシートベルト付いていたレベルに普通の事ですよ!?
的な感じなのです。※相当量産品の場合はもしかして未だに普通の仕上げのリングも有るのかもしれないです??
これがサイズゲージです。各種通販のサイトでも誰でも簡単に購入する事が出来ます。
研究を重ねて見出したフォルム
という事で普通の事と言えど普通だからこそ抜きに出た技術で仕上げるのが私たちです。ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーにはリングの内側だけを仕上げる専門の職人がいます。この作業はリングの内径をつけ心地が良いフォルムに整えたり、フォルムによって異なる指当たりがストレスなくなるようする作業なのですが、デザインによって最適な内側甲丸の角度と面積が有ります。それを一点一点しっかり確認して丁寧に作業していきます。
彫金の技術は非常に奥深いです。1つの作業でも極めるには10年は必要と言われています。事実ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーの職人で、その作業分野の責任者はその作業だけを10年以上(1日8時間で週休2日、月間22日、1日20点程度の仕上げ、1年間で5000以上、10年では5万本にも上ります。)続けてはじめて熟練したと言われるようになるのです。リング内径はそれこそ何段階も磨きの番手を入れ替えて作業します。人間の指先は凄いセンサーに成っています。少しの凹凸や、金属のバリ等も皮膚と言うセンサーでは読み取りが出来てしまいます。それだけにリング内径の仕上げ作業は非常にデリケートな作業なのです。
作業分野を決めてそれぞれの最高の技術でリングを仕上げるのはBRIDGE銀座のポリシーでもありますが、それは日々使うものだからこそストレスなく使ていただきたいという想いなのです。
内側甲丸仕上をお探しなら、ぜひ一度ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーへお越しください。そして、つけ心地のよさを体験してほしいです。