銀座の結婚指輪BRIDGEのブログ

ダイヤモンドジュエラー

皆さんこんにちは!ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーです。

先日お客様に【宝石屋さん】って言われて思ったのですが、私たちの様なブライダルジュエリーを中心に貴金属と宝石を生業にして取り扱う人たちは自分の職業を何と思っているんでしょうか?

以前のブログにも書いたのですが、私たちの職業は”ジュエラー(Jeweler)”です。海外のジュエリーショウなんかに行くと自分は何者か?を説明しないといけない事が有ります。そんな時は状況によっては「ホールセラー(wholesaler)」とか「リテイラー(retailer, )」、「インポーター(Importer)」なんて答えます。しかし最終的には「I am a Jeweler(私はジュエラーです。)」と答えるんです。それはなぜか?

私の宝石学のお師匠さんは「ジュエラーを育成する」という事を企業理念に掲げて宝石の学校を経営しています。(←商売上のお師匠さんは別にいます。宝石学のお師匠さんの話です。)宝石学を学んでいる時にずっと思っていた事は、ジュエラーとは何なのか?でした。結論としてジュエラーは【最終消費者(エンドユーザー)に宝石や装身具を届ける人】と自分の中で定義しています。

装身具は趣味趣向も購入動機に大きく影響してくると思いますが、宝石類はその性質上、一般的な生活の中での接触頻度の低さから専門性の要求される商材です。これは購入者だけでなく商店でも一緒です。駆け出しの店舗経営者は自分で原産地迄行ったり、出来ない事も多いです。そんな時はジュエリーショウや展示会で良い業者を見つけて取引する事も在ります。そんな時、この品物はこの価格で仕入れていいかどうか?は経験値が無いとなかなか難しくしかも品質が確かかどうか?も見抜かなければなりません、購入頻度が乏しく経験値が無いのは一般の客様も宝石店の仕入れ担当も同じなんですね!

そうした商材の素人に判り易く品物の魅力を伝えて品物の価値がお金と等価、もしくはそれ以上だと判ると購入家艇するのが一般的だと思います。私たちジュエラーは消費する方に商品説明して品物の価値が付いてる金額に見合うかどうか?を説明するのが仕事です。

宝石は何を買うか?よりも誰から買うか?が大切

これは私のお師匠さんから貰った金言なのですが、それは【生産者→お店→お客様】と品物が動く度にそれが該当する金言なのです。私たちのダイヤモンドはデビアスグループのデブスワナで採掘したダイヤモンド原石を使います。此処に至るストーリーだけでもなかなかドラマチックな事が有ります。もともとは弊社の会長が40年以上前にヨーロッパでダイヤモンドの仕入れを始めたことがきっかけです。それも人のご縁でジンバブエや南アフリカの他に当時採掘がわずかに始めっていたロシアのダイヤモンドを取り扱う会社を取引をしていました。しかし、ある時ダイヤモンド屋さんから「あなたの求めるものはココ(ベルギー)にない!」と言われて、インドのダイヤモンド研磨企業を初会して貰たことが始まりです。当時インドまで小売店が出かけて行ってダイヤモンドを仕入れるなんて余りある話ではありませんでした。当時私たちの探していたダイヤモンドは色の付いた変わった色のダイヤモンドだったのです。

当時カラーダイヤモンドは僅かにアフリカ産が有るだけで本当の幻の宝石でした。タイミング良い事にオーストラリアの鉱山が操業開始した直後でオーストラリア産のダイヤモンドを取り扱う企業を紹介してもらったのです。いまでこそカラーダイヤモンドの産地として有名なアーガイル鉱山ですが当時はどんな品質のダイヤモンドが産出するのか?謎でした。

しかもオーストラリアのダイヤモンドは結晶格子の歪みが原因でカットしたり研磨したりすることが困難でした。既存のサイトホルダーでは(既存の技術では)研磨が出来なかったのです。そのため、【低品質で宝石としては使い物にならない】とされました。そんな状況でしたのでダイヤモンドを研磨する企業もベンチャー系の新しいサイトホルダーで小さな企業が殆どでした。彼らは低品質から出現するブラウンダイヤモンドとピンクダイヤモンドに注目していました。私たちもブラウンダイヤモンドをそれを機に取り扱うことに成ります。

私たちの店舗ではタイプ1a以外のブラウンダイヤモンドをエクセレントカットに仕上げたプロモーションを仕掛けて店舗としては上々の売り上げが上がったのを覚えています。当時ブラウンは”コニャック”とか”シャンパン”とか様々なプロモーション名で販売されます。最終的に柏圭(かしけい)さんが展開する”ブラウンダイヤモンド”プロモーションは今も続いているロングヒットとなっています。その後、オーストラリア産ブラウンダイヤモンドの変種としてピンクダイヤモンドが登場することに成り、アーガイル鉱山の名前は一躍世界的にも脚光を浴びることに成ります。

ブラウンとピンク両方のダイヤモンドを最初に研磨したサイトホルダーは弊社が一番深く取り組み合うサイトホルダーです。ここまで人の繋がりで宝石との良い出会いを導いてもらっているのです。私たちのお客様にはそうしたストーリーも一緒にお求めいただいています。

フィリッペンス・ベルト氏との運命の出会い

そのアーガイル鉱山とインドのサイトホルダーを引き合わせた人物はダイヤモンドクリエイターでした。1980年代後半当時彼は新しいプロポーションのダイヤモンドの開発をしていました。正面から見て8角形の”フランダースブリリアント”と言うダイヤモンドでした。通常ラウンドカットに施す58面を8角形に落とし込んだこのカッティングは高い技術を要していました。

そこでフランダースカットのプロトタイプ開発で指名されたダイヤモンド研磨師こそ若き日の”フィリッペンス・ベルト氏“だったのです。厳密にはプロトタイプを取り組ませた数名の技術者の内の一人で当時は一作業者として高い技術を持つ特別な研磨師と言う印象でしたが、私たちとベルト氏のファーストコンタクトがこのタイミングです。当然私はまだ入社していません!そうした人と人の縁一つ一つが今日のブリッジ銀座店でご案内する品物へと繋がっているというのはとっても心強い事ですよね!

私たちは之からも品物は当然ですが、それを扱う人の人となりや繋がり絆を大切に商売して行こうと思います。ジュエラーから脱線したかな?でもそれも含めて私たちの様な生業の人たちをジュエラーと呼ぶのです!

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