皆さんこんにちは!ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーです。
今日はダイヤモンド内部に内包する不純物、インクリュージョンのご案内です。オリビンは日本名をカンラン石と言います。独立した鉱物名ではなくガーネットと同じく鉱物(宝石)グループの名前です。ですので色々なオリビンが有ります。中でも有名なオリビンは8月の誕生石でもあるペリドットですね!ペリドットは厳密にはフォルステライトと呼びます。それの緑色をペリドットと呼ぶんですね。斜方晶系で化学式は(Mg,Fe,Mn)2SiO4と書きます。ベースとなる2SiO4はSiはケイ素です。原子番号14番で別名をシリコンSiの頭文字はシリコンの事なんですね。そしてOは酸素ですのでペリドットの主成分は地上では珍しいと言う訳では無いようですね。それがマグネシウムMg、鉄Fe、マンガンMnのどれを持っているかで?名前が変わると言う訳です。ペリドットはマグネシウムを内包しただけでは綺麗なペリドットにはなません、宝石として利用されるペリドットは含まれる鉄が15%未満でさらによい物は微量のニッケルとクロミウムを含んでいます。美しいペリドットはマグネシウムとケイ素を主成分としており、微量に含まれているニッケルが着色成分となり美しいオリーブグリーンを発色させます。内包する成分の割合で発色が変化するんですね、天然の鉱物ですので内包成分が希少性に繋がり、またとない発色を生み出すのです。因みに宝石名でペリドットと呼ばれる鉱物名はフォルステライト1種類のみです。かんらん石は地底200キロ以上の深さでも存在できる通り高い融点を持っているために、苦鉄質のマグマから結晶させる最初の鉱物と言われています。鉄鋼関係の工場でも融解した鉄を受け止める容器や受け皿としてかんらん(橄欖)石を使っています。
さて、そんなオリビンですがダイヤモンド内部に内報される事が有ります。ダイヤモンド内部にはダイヤモンドの他に24種類、ダイヤモンドを含めると別の結晶と言う意味で25種類の内包物が内包される可能性が有ります。そして、それぞれがダイヤモンド内部で光に干渉しますので本体のダイヤモンドの見た目に少しづつ影響を与えるのです。オリビンがダイヤモンドに内包される場合は無色です。稀に発色たペリドット状の結晶が有る場合もあってその場合は緑色となるります。※確認できるような大きなオリビンが内包された場合はクラリティーグレードが著しく下がってしまいますのでご婚約用のダイヤモンドリングには使用しません、もしもご希望の有る場合は探しますのでお申し付けください。現在ダイヤモンド内の非常に小さな内包物の場合は斜方晶系のオリビンと等軸状結晶のダイヤモンド等の透明形で見た目の酷似する物体を目視で見分けるのは困難です。鑑定鑑別機関では光学検査でその結晶がなんであるかを看破しています。
インクリュージョンの表記としてはクリスタルやピンポイントもオリビンである可能性が有ります。またダイヤモンドとオリビンは結晶が異なりますので、マグマから上昇する最中にオリビンとダイヤモンドで受ける温度と圧力の変化による物質の変化に差が有る場合は結晶と闕所の境目にフェザーが発生したり、フラクチャーが発生したりします。※フラクチャーはダイヤモンドの結晶方向とは異なるプレッシャー部分に発生します。ブリッジで取り扱うダイヤモンド原石のレベルではフラクチャーが内包している事は在りませんのでご安心ください。
オリビンは斜方晶系なので美しい斜方晶系の内包物が確認できる場合はそれはそれで希少と言いえるかもしれませんね、8月生まれの女性に送る場合は誕生石の内包したダイヤモンド何て素敵だと思います。
厳密にはオリビンとダイヤモンドでは光の屈折値が異なりますので、あまりにも大量のオリビンが内包している場合はダイヤモンド内部を動く光の曲がる確度が変化してしまい、美しさに影響を及ぼします。ダイヤモンドは光の屈折を計算して設計されていて、研磨師はその設計図の通りにダイヤモンドを研磨します。そのダイヤモンド内部に屈折値の誓う鉱物を内包する場合は輝きに影響をおよぼすのです。しかし内包物が(クラリティグレードで検出できないサイスでも)全くない場合は無個性な見た目に成ってしまいます。内包物はそれぞれに光に干渉し僅かに輝きを変化させます。それが一切ないダイヤモンドだけの結晶では合成宝石の様に成り、天然石特有の個性的で魅力的な宝石としての側面を失ってしまうのです。内包物は無い方が望ましいですが、一切無ければ輝きは単調に無個性に、、、二律背反する美しさの条件なのです。
人は人によって磨かれ、ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない
人間とダイヤモンドの意外な共通点ですね、まぁそう言うことです。