5月の誕生石エメラルドとは
エメラルドは、数千年にわたり緑色石の代表的な存在です。5月の誕生石として人気のエメラルドは、婚約指輪としてや、結婚20周年および35周年記念（日本では55周年）の宝石としても有名です。
アレキサンダー大王が追い求めた「緑の炎」
4000年前に、ギリシャの鉱夫たちは、アレキサンダー大王の命令でエジプトの砂漠で【緑の炎（エメラルド）】を掘ったと言われています。ベリルの一種の鉱物。ごく微量のクロミウム、バナジウム、そして鉄分が、エメラルドの有名な「緑の火」を作りだします。この緑色のベリル結晶は変成岩の中でゆっくりと成長し、母岩の中では成長の範囲が限られるので、ラージサイズのエメラルドは珍しく、希少価値が高く高価です。
歴史が愛した宝石エメラルド
エジプトのファラオからインカ帝国の皇帝、ギリシャのアレキサンダー大王まで、エメラルドは王族たちを魅了してきました。クレオパトラはそのエメラルドへの情熱で有名で、装飾品として使用していたのはあまりにも有名です。クレオパトラはエメラルドを身に着けるだけではなく、砕いてメイク用のパウダーにして化粧したという記述もあるそうです。力を与えてくれる宝石としてエメラルドは多くの権力者たちに愛されてきました。
地球上にこれよりも緑色のものは存在しない
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プリニウス・セクンドゥスは、著書『博物誌』で「これよりも緑色のものは存在しない」と記しています。彼はダイヤモンドについてもこう記していました。“Diamond is the most valuable, not only of precious stones, but of all things in this world.”「ダイヤモンドは、貴重な石だけでなく、この世界のあらゆるものの中で最も価値があります。」しかし、プリニウスの言葉には痺れますね。
癒しの宝石エメラルド
プリニウスは、この5月の誕生石エメラルドは、カットする職人を助ける癒しの力が備わっているともしています。「職人たちにとって、エメラルドを見つめることは最良の目の回復方法である。柔らかな緑色は疲れや倦怠感を癒し、取り除く。」とも記しています。緑色の癒し効果は、歴史によって証明されているのです。
エメラルドの産地はコロンビア
コロンビアは500年以上の間最高級のエメラルドを産出し続け、コロンビア産エメラルドは他の産地からの宝石の基準となってきました。コロンビアの3つの採鉱場所、Muzo（ムゾー）、Chivor（チボール）、Coscuez（コスケス）が特に注目に値します。各産地とも採掘される色には幅がありますが、一般的に言って、澄んだ、濃い色調の緑のエメラルドはムゾー産です。より淡い色調と青みがかった緑のエメラルドはチボールと関連があります。わずかに黄色がかった緑のエメラルドはコスケスで採掘されています。（引用元：GIA5月の誕生石https://www.gia.edu/JP/birthstones/may-birthstones）
コロンビア以外の産地の特徴
エメラルドは南極以外の6大陸から産出があって、その中でも南米大陸は最も重要です。特にコロンビアは最も産出量が多く、そして最も素晴らしい品質のものが産出されています。だからと言って「産地」が自動的に品質を保証すると考えることは間違いです。
良質なエメラルドとは
良質のエメラルドが産出される場所は約８拠点あります。ザンビア、ブラジル、ジンバブエ、マダガスカル、パキスタン、インド、アフガニスタン、あるいはロシアです。特にザンビア、ブラジル、そしてジンバブエは良質のエメラルドであると国際的な評判を得ています。
ザンビアのエメラルド
ザンビアのエメラルドは、透明度が良くて美しい濃いエメラルドです。その色はコロンビアの石よりもっと一般的に濃く、青味がかっています。プリニウスの記した言葉を大切にすると、青みをどう評価するかが問題です。国際的評価とかではなくです。
ブラジルのエメラルド
ブラジルでは、イタビラ鉱山やサリニンア鉱山が有名ですが、ブラジルのものは緑色がやや黒味を帯びているのが特徴です。ブラジルのミナスジェライス州。高度化設備で採掘されるBelmont（ベルモント）鉱山です。Capoeirana（カポエイラナ）はもう一つの重要な地域で、自営の鉱山労働者による、小規模の操業が主に行われています。黒味がかかっているという事は鉄分が多く青が入り込んでいるのでしょうか。
ジンバブエのエメラルド
ジンバブエの鉱山は、イギリスの企業「リオ・ティント・グループ」が1993年までの間、最新設備を用いて大規模な採掘が行われてきました。1993年にサンダワナ鉱業社が鉱山を買取り、ジンバブエの鉱山は「サンダワナ鉱山」と呼ばれます。
世界を魅了する『サンダワナ・エメラルド』
『サンダワナ・エメラルド』として知られています。サンダワナ産エメラルドはヴィヴィッドな緑色をしていることで、世界的に有名です。大変魅力的な深くて濃くそして発色のよい緑色。そこに黄色味が帯びています。名前がついているエメラルドも魅力的です。
ダイヤモンドで有名なアフリカのエメラルド
5月の誕生石エメラルドはアフリカでも発見されています。主要な産地はザンビアで、Ndola（ンドラ）地方制限区域の鉱山は、青みがかった緑で、より濃い色調のエメラルドを産出することで知られています。パキスタン、アフガニスタンも重要な産出国です。
鉱物としてのエメラルド
鉱物名：ベリル
和名：緑柱石
結晶系：三方晶系（六方晶系）
化学組成：Be3Al2（SiO3）6+Cr
色：緑色
屈折率：1.57～1.58
比重：2.71
モース硬度：7.5（ダイヤモンド10、コランダム9、アレキサンドライト8.5)
エメラルドは比較的硬く耐久性もありますが、大きな衝撃は禁物です。
処理・お手入れ
エメラルドの誕生石には特別の配慮が必要です。高温、気圧の変化（航空機の客室など）、刺激性の化学物質などにさらすことは避けてください。超音波による振動と高熱により充填剤がフラクチャーからにじみ出る場合があるため、超音波洗浄機にはエメラルドを入れないでください。充填されたエメラルドはまた、皿洗いの際お湯がかかることにより損傷することがあります。柔らかいブラシと温かい石鹸水を使用してやさしく洗うとエメラルドを最も安全に洗浄できます。（引用元：GIA5月の誕生石https://www.gia.edu/JP/birthstones/may-birthstones）
質のよいエメラルドとは
色（カラー）について
最高級のエメラルドに見られる緑色の強さは、自然界でそれに匹敵するものが他にないほどです。最も望ましいエメラルドの色は、鮮やかな色で暗すぎない色調の、帯青緑色から純粋な緑色です。 最も価値の高いエメラルドは透明度が高いものです。 そして色が均質で、目に見える色帯が無いことです。
インクルージョン（クラリティ）について
エメラルドには、一般的に肉眼で見えるインクルージョンが含まれています。 見た目にクリアなエメラルドは、とても希少なので高値で取引されています。
苔や庭園と表現されるインクルージョン
エメラルドのインクルージョンは、苔や庭園を見ているようだと表現されることがよくあります。 そのためフランス語で庭を意味する「ジャルダン」と呼ばれることがあります。日本人の感性を揺さぶる表現ですね。色石（カラーストーン）は、透明度とクラリティは密接に関係します。 このことは、特にエメラルドにとっては重要です。 業界では一般的に、高品質のエメラルドに見られるインクルージョンは容認されています。 しかしインクルージョンが透明度とクラリティにマイナスの影響を与えている場合は、その宝石の価値は大幅に下がります。
カットについて
分かりやすくするために箇条書きで作成しました。
１）カット職人はエメラルドのカットを決定する際に、原石の色の深みや耐久性、インクルージョンを考慮する必要がある。
２）カットの誤りにより重量が損なわれ、宝石の潜在的価値が減少する可能性がある。
３）エメラルドの結晶には4つの特徴があり、フラクチャーや脆さがカットを難しくしている。
４）エメラルドカットではフラクチャーの影響を最小限に抑えるためのデザインが必要である。
５）エメラルドは脆いため、カットや研磨、セッティングの際や着用時に損傷を受けやすい。
６）エメラルドカットでは、脆い部分をファセットカットすることで損傷に対する保護が可能となる。
７）エメラルドの色は重要であり、カットによって色相、色調、彩度を引き出す必要がある。
８）カット職人はエメラルドのプロポーションやファセットの数を調整し、色に影響を与えることができる。
９）エメラルドカットは一般的なカットの一つであり、名前が示す通りエメラルドによく使用される。
10）多くのエメラルド結晶は二色性を示し、カット職人はテーブル方向を調整して青味のある緑色を引き出す。
11）コロンビア産のエメラルドは着色元素の分布が一様でないため、カットが困難である。
12)慎重なカットが必要であり、誤ると石の色が薄くなる可能性がある。
エメラルドのカットには注意が必要であり、原石の特徴や色の引き出し方を考慮する必要があります。フラクチャーや脆さに対処するため、慎重なデザインが求められます。色の最大限の効果を引き出すためにカット職人はプロポーションやファセットを調整します。エメラルドカットは一般的なものであり、青味のある緑色を引き出すためのテーブル方向の調整も重要です。特にコロンビア産のエメラルドはカットが困難であり、慎重に行う必要があります。
カラット重量
エメラルドは、母岩の中では成長の範囲が限られるので、ラージサイズのエメラルドは珍しく、希少価値が高く高価です。品質が等しい場合、エメラルドの価格はサイズが大きくなるにつれて大幅に上昇することがあります。ご予算やカラット重量などを教えてください。最適なエメラルドをご案内いたいます。
オススメはコロンビア産エメラルド
最大にして、最高級品質の産地コロンビア産のエメラルドがおススメです。 世界のエメラルドの50%が採掘されていると共に、発色の良い緑色素要因であるクロムを多く含むため、発光するような輝きを放つエメラルドが産出されるのがコロンビア産のエメラルドです。初めてのエメラルドは、プリニウス・セクンドゥスが記した言葉「これ（エメラルド）よりも緑色のものは存在しない」から鑑みると、大きさによって異なりますが、なるべく青みがない鮮やかな美しい純粋な緑のコロンビア産エメラルドが良いのではないでしょうか？
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