エメラルドにまつわる神話と信仰 
エメラルドは、その鮮やかな緑色から、「再生」や「永遠の命」を象徴する宝石とされてきました。
古代の世界では、エメラルドには不思議な力が宿っていると信じられており、特にエジプトでは特別な意味を持っていました。伝説によると、エメラルドは創造神トートに関連づけられていました。
トートは知恵と魔法を司る神であり、エメラルドは「神聖なる知識」の象徴と考えられていたのです。
また、「死後の世界への旅を守護する石」としても重視され、ミイラと一緒にエメラルドを埋葬する例もありました。エメラルドには病気や悪霊から守る力があると信じられ、
特に目の健康に効果があるとされていたため、護符やお守りとしても人気があったそうです。
クレオパトラとエメラルド
古代エジプトの中でも、エメラルドを最も愛した人物といえば、クレオパトラ7世です。クレオパトラは、自らの権力と美しさを示すために、エメラルドを積極的に活用しました。なんと、彼女は自らの領土内にあったエメラルド鉱山(現在「クレオパトラ鉱山」と呼ばれる)を直轄管理していたと伝えられています。そこから採れたエメラルドを、自らの装飾品として、また外交用の贈り物として使っていたのです。特に有名なのは、エメラルドに自分の肖像を彫刻させたという伝説。
クレオパトラはこの肖像エメラルドを神殿に奉納し、自らを「神の化身」として崇拝させるために利用しました。また、ローマの将軍カエサルやアントニウスへの贈り物にも、エメラルドが使われたと考えられています。
これは単なる愛情表現だけでなく、エジプトという国の富と神秘性を象徴する、強力な外交戦略だったのです。(写真は、BRIDGE銀座店取り扱いブランドFANCIESのエメラルドゴールドプロポーズリングです。)
まとめ
毎週火曜日更新ポッドキャスト「BRIDGE銀座小林朋也の宝石小噺」
こちらからお聴きください♪
古代エジプトにおけるエメラルドは、単なる「宝石」ではなく、生命・再生・神秘の象徴でした。そしてクレオパトラは、その象徴性を誰よりも理解し、自らの権力と美を輝かせるためにエメラルドを巧みに使ったのです。現代でもエメラルドが「愛」や「再生」、「永遠の若さ」の象徴とされるのは、古代エジプト、そしてクレオパトラからの影響が色濃く残っているのかもしれませんね♪
comment