BRIDGE ANTWERP > スタッフブログ > 30日後に成功するサプライズプロポーズ:第9話「みんななんで結婚する?」
銀座の結婚指輪BRIDGEのブログ

第九話:みんななんで結婚する?

「……なるほどな」

大也は、会社の休憩室でコーヒーを片手に山本と向かい合っていた。

山本は先日、結婚を決めたばかりの同期だ。高校時代から付き合っていた彼女とついにゴールイン。そんな山本が「結婚を決めた理由」について語ってくれた。

「俺さ、結婚ってもっとビビッとくるもんかと思ってたんだよ。でも、違った。決めた理由は単純で、彼女がいない人生が考えられなかったんだよな」

「いない人生が考えられない、か……」

「そう。俺、仕事で死ぬほど追い込まれたときがあってさ。上司にも怒鳴られるし、ミスも続くし、正直辞めようかと思ったんだよ。でも、家に帰ると彼女が普通に迎えてくれる。それだけで ‘まだ頑張るか’ って思えたんだよな」

その言葉を聞いて、大也はふと過去の自分を思い出した。

あの時、自分も仕事に行き詰まっていた。プロジェクトが思うように進まず、上司からは厳しい指摘ばかり。会社に行くのが億劫で、家に帰っても何もやる気が起きなかった。

そんなとき瑞樹は何も言わずに、ご飯を作ってくれたり、さりげなく「今日は仕事どうだった?」と聞いてくれたりした。

体調を崩してベッドから起き上がれなかった日もあった。仕事の疲れが溜まって、とうとうダウン。動く気力すらなく、何もしたくなかった。

でも、瑞樹は文句一つ言わず、そっとお粥を作ってくれたり、熱冷ましシートを用意してくれたりした。

当時は「ありがたいな」とは思っていた。でも今こうして振り返ると、それ以上のことだった。

瑞樹がいてくれたから、今の自分がある。

「……なるほどな」

大也はポツリとつぶやいた。

30日後に成功するサプライズプロポーズ:第9話
その夜、ベッドに寝転びながらスマホをいじっていると、ふと「婚約指輪」について気になった。

帰宅後、大也はなんとなくスマホを手に取り、ネットサーフィンを始めた。

(結婚って、みんなどんなふうに決意してるんだろう?)

何気なく「婚約指輪 必要?」と検索してみる。すると、「ダイヤモンドは思いを形にするもの」という言葉が目に飛び込んできた。

「……茜が言ってたことと同じだ。」

「そもそも、なんでダイヤモンドなんだ?」

検索をかけると、いくつかのサイトが出てくる。

『ダイヤモンドが婚約指輪に使われる理由』

気になってタップしてみる。

「ふむふむ……ダイヤモンドは ‘永遠の象徴’ か」

記事によると、ダイヤモンドは地球上で最も硬い天然鉱物。その硬さから「決して壊れない愛の証」として、婚約指輪に用いられるようになったらしい。

さらに、ダイヤモンドは、その硬さと輝きから「永遠の愛の象徴」とされてきた。古くはローマ時代から、愛を誓う証として贈られてきた歴史がある。

古代ローマでは戦士が戦いの前にダイヤモンドを持ち歩き、勝利のお守りにしていたという話もあった。

「決意を込める石、か……」

その言葉がやけに胸に響いた。

もっと調べていくと、最近は「ダイヤモンド&プロポーズ」というサービスが人気らしい。

『ダイヤモンドの石だけを先に贈り、後から二人でデザインを選ぶ』

このサービスが今の時代にマッチしていて、サプライズもできるし、女性側の好みに合わせた指輪を作れるという。

「これ、いいかもな……」

気づけば、夢中になって情報を読み漁っていた。

興味が湧いた大也は、さらに調べを進めた。ダイヤモンドの価値を決める「4C」の基準、カットの違い、指輪のブランドごとの特徴。読み進めるうちに、自分でも驚くほど夢中になっていた。

(やっぱり、ちゃんと考えなきゃな。)

そのとき、ふと山本の言葉を思い出した。

『そろそろ三年だろ?瑞樹さん、待ってるんじゃないのか?』

スマホを置き、気持ちを整理するように天井を見上げる。「……やっぱり、ちゃんと形にしないとな」

そう思うと、じっとしていられなかった。

大也はすぐにLINEを開き、山本にメッセージを送った。

『なあ、ダイヤモンドの指輪ってどうやって選べばいいんだ?』

しばらくすると、すぐに既読がつき、山本から電話がかかってきた。

「お前、ついに決めたのか?」

「まだ決めたってわけじゃないけど、考えてる」

「いいじゃん! じゃあ、次の休日一緒に行こうぜ。付き合ってやるよ」

「マジで? ありがとう、助かるわ」

「一生に一度の買い物だぞ? ちゃんと見極めろよ!」

そう言って山本は豪快に笑った。

大也もつられて笑いながら、電話を切った。

しかし、大也は大事なことをすっかり忘れていた。

——茜に「宝石店に勤めている友達を紹介する」と言われていたことを。

完全に舞い上がり、一人で先走っていた大也だった。

⇒第10話


第1話「休日のカフェ、揺れる想い」
第8話「ダイヤモンドは決意の形」

登場人物:大越大也(おおこしだいや)埼玉県大宮市出身の30歳、趣味はドライブと釣り、行動力が有り何事もまずはやってみるタイプ。
松本瑞樹(まつもとみずき)神奈川県出身29歳、高校時代は名門野球部のマネージャーだったお姫様キャラ。慎重派でよく考えてから行動するタイプ。
瑞樹の友人の茜(あかね)29歳、瑞樹とは高校時代からの地元の友人で気心が知れている。大也とも面識が有り
茜の友人古田あやか(ふるたあやか)茜の大学時代の友人、JJA公認ジュエリーコーディネーター年間100組以上のサプライズプロポーズをプロデュースしている。
山本健司(やまもとけんじ)大也の会社で同期の同僚、同期の中でいち早く結婚に踏み切った。お相手は高校時代からの彼女。

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