理想のプロポーズ?
日本橋の洒落たイタリアンレストランの一角。温かみのある照明の下、茜、瑞樹、古田あやかの三人が向かい合って座っていた。ワインが注がれ、三人は軽くグラスを掲げる。
「今日はこうして出会えたことに乾杯!」茜が先陣を切って声を上げる。
「乾杯!」瑞樹と古田も笑顔でグラスを合わせた。
最初は自己紹介を交えながらの雑談。古田は瑞樹に対して、「茜からずっと話は聞いてたけど、やっと会えましたね」と微笑みかけた。
「そうなんですね、なんだか嬉しいです!」瑞樹も親しみを感じながら笑顔を返した。
ワインを一口飲んでから、話題は最近のネットフリックスのドラマへと移った。ちょうど話題になっていたロマンスドラマで、ヒロインがプロポーズされるシーンが感動的だと評判だった。
「あのドラマ見た?ヒロインが夜のパリで、セーヌ川のほとりで突然プロポーズされるシーン!あれ、めっちゃ素敵じゃない?」茜が目を輝かせながら語る。
「見た見た!」瑞樹も共感し、「あのシーンの雰囲気がすごくいいよね。街の灯りが川に反射して、ロマンチックな音楽が流れて……。」
「確かにロマンチックでしたね。でも、私はああいう派手なプロポーズよりも、もっと自然な感じがいいかな。」古田が少し考えながら言った。
そんな話をしていると、お店のシェフが「お待たせしました!」とテーブルに大きな皿を運んできた。「九州産A5ランク黒毛和牛の炭火焼きです!」
「わぁ!めっちゃ美味しそう!」
三人は歓声を上げながらナイフとフォークを手に取った。赤ワインと肉の組み合わせを楽しみつつ、お酒が進むにつれて話はさらに盛り上がっていく。
「ねえねえ、理想のプロポーズってどんなのがいい?」
茜が突然そう切り出すと、瑞樹と古田は一瞬戸惑いながらも「うーん……」と考え始めた。
「私はね、南国リゾート!海が見える教会で、夕日をバックに彼がひざまずいて『君しかいない』って情熱的に言われるのが理想!」
「すごい!」瑞樹が目を丸くし、古田もクスクス笑う。
「茜らしいね!情熱的なプロポーズ!」
「でしょ?やっぱりプロポーズはドラマチックじゃないと!」
「私はね……都会の喧騒じゃなくて、家の居間とかでリラックスした状態で言われたいな。」古田がしみじみと語る。
「へえ~、意外かも!」
「うん、派手なのもいいけど、結婚って生活だからさ。『ずっと一緒にいたい』って自然な流れで言われる方が私には響くな。」
「なるほど~、確かにそれもいいね。」
「じゃあ瑞樹は?」
瑞樹は少し考えてから、ふわりと笑った。
「私はね……温泉旅館とか、古き良き日本文化の情景の中でプロポーズされたいな。」
「えっ!意外!」
「旅館の静かな和室で、障子越しに月明かりが差し込んでる中、彼が『一生そばにいてくれ』って言ってくれる……みたいな?」
「めっちゃ風情あるね!しっとり系のプロポーズ!」
「うん、派手すぎるのも苦手だし、落ち着いた雰囲気で心のこもった言葉をもらえたらそれが一番かな。」
「私はやっぱり、情熱的なセリフでプロポーズされたい!」茜が力強く宣言すると、古田と瑞樹は顔を見合わせて笑う。
「例えば?」
「うーん……『君なしでは生きられない!結婚してくれ!』とか?」
「それはちょっとドラマチックすぎない?」瑞樹が笑いながら返す。
「でもさ、私彼氏いないし!」茜は自虐的に笑ってみせる。
「私も彼がいても、なんかそういう風にしてくれなそう……」と古田が肩をすくめる。
「それにしても、、、瑞樹さん温泉旅館?」茜が眉を上げる。「え、それって露天風呂でプロポーズ?裸で??」
「ええっ!?」瑞樹が真っ赤になり、古田が大爆笑する。
「そ、そういう意味じゃないってば!」
「じゃあ、やっぱり風呂上がり?」茜がにやにやしながら追い打ちをかける。
「温泉……なんとなく大人ですな。」古田がからかう。
3人はワインを片手に笑い転げながら、理想のプロポーズを語り合い和気あいあいと笑い合った。瑞樹の好みを聞き出したことで、茜と古田は密かに「これをどう活かそう?」と目を合わせる。楽しい時間が続く中で、瑞樹は気づかないまま、自分の理想のプロポーズのヒントを二人に伝えていたのだった。
登場人物:大越大也(おおこしだいや)埼玉県大宮市出身の30歳、趣味はドライブと釣り、行動力が有り何事もまずはやってみるタイプ。
松本瑞樹(まつもとみずき)神奈川県出身29歳、高校時代は名門野球部のマネージャーだったお姫様キャラ。慎重派でよく考えてから行動するタイプ。
瑞樹の友人の茜(あかね)29歳、瑞樹とは高校時代からの地元の友人で気心が知れている。大也とも面識が有り
茜の友人古田あやか(ふるたあやか)茜の大学時代の友人、ブリッジ銀座のスタッフでJJA公認ジュエリーコーディネーター年間100組以上のサプライズプロポーズをプロデュースしている。
山本健司(やまもとけんじ)大也の会社で同期の同僚、同期の中でいち早く結婚に踏み切った。お相手は高校時代からの彼女。
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