皆さんこんにちは！BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーです。
春の足音はモチーフの雪割草をピンクダイヤモンドを使って表現しています。センターのダイヤモンドの両サイドにピンクダイヤモンドを配した人気のスタイルですが、よく見てもらうとセンターストーンの石座は花弁の様なデザインで横から観察するとダイヤモンドがまるで空中に浮いたようなセッティングに成っています。このセッティング技法（テンションセッティング）でセンターダイヤモンドには光が全方向から飛び込みメインダイヤモンドの輝きを一生引き立てます。
さて今日紹介するのは春の足音でも使用しているピンクダイヤモンドについてです。ピンクダイヤモンドは現在、オーストラリアのアーガイル鉱山からの産出にほぼ100%頼っている状況です。アーガイル鉱山はキンバーライト鉱床ではなく、アンプロアイト鉱床で産出されます。キンバーライトとアンプロアイトは何方も地球深部で誕生しているという共通点が有ります。地下資源採掘企業はその採掘方法が企業にとって生命線となる為に、それぞれの鉱床における採掘方法を企業秘密にしています。
産出するダイヤモンドでオーストラリアは世界最大のダイヤモンド生産国の1つで、白、シャンパン、コニャック、 ブルー、バイオレット、等の珍しいカラーのダイヤモンド、そして人気の高いピンクとレッドのダイヤモンドを産出しています。ダイヤモンドは希少な宝石ですが、その中で最も希少性の高い色はレッド赤色です。もともと結晶格子の歪みの多いアーガイル鉱山のダイヤモンドは操業当初、採掘して出てきたダイヤモンドを研磨仕上げする事が困難でした。結晶の歪みはそれだけ劈開方向を複雑にして、ダイヤモンドが研磨できる条件である”結晶が整っている”ダイヤモンド原石が殆ど産出していなかったのです。そのため従来通りのダイヤモンド研磨法が通用せず、まったく加工が出来なかったと言います。また、地下資源採掘では最終的にその地下資源が販売できる事がとっても重要です。需要のない地下資源を彫り出しても鉱山企業が赤字に成ってしまっては操業その物が維持できません。
アーガイル（argyle）産出のダイヤモンドは４Cグレード上では低品質のダイヤモンドばかりだった為に操業当初大変な苦労が有ったと言います。アーガイルのダイヤモンドを最初に加工したのはインドのサイトホルダーです。彼らは超鋼アーガイル鉱山産のダイヤモンドを見事に磨き上げます。すると中にとても美しい茶色のダイヤモンドが多い事が判ってきます。この茶色系のダイヤモンドはブラウンダイヤモンド、若しくはコニャックダイヤモンド、シャンパンダイヤモンド等何度となくアーガイル鉱山によってプロモーションされ販売されました。その結果徐々に市場に浸透し現在ではブラウンダイヤモンドのカテゴリーを確立しています。
また、その歪みに起こる光の吸収によって様々な色を発生しており、特殊なカラーダイヤモンドの産地として認識されていったのです。現在でもアーガイル鉱山産のダイヤモンドでブライダル品質（FカラーUP、VSUP）のダイヤモンドはなかなか産出しません。殆どが工業用の品質で中に特殊な内包物や結晶構造から特別な色を発生するダイヤモンドが産出してコレクター垂涎のカラー系ダイヤモンドの産地として有名なのです。
アーガイル鉱山は、1983年に生産を開始して以来、8億2500万カラット以上のラフ原石ダイヤモンドを生産しています。公式Webの情報では2020年の終わりまで経済的に採掘するのに十分な埋蔵量があります。
しかし、2020年以降アーガイル鉱山は操業予定を立てていません、ダイヤモンド等の地下資源はまだまだ地中深くまで行けば採掘できるようですが、その採掘コストが高額になる為に鉱山企業としての採掘は今年で停止となってしまいます。その為元々希少なピンクダイヤモンドでしたが、2021年以降は採掘見込めないという事が判っていますので、かっく高騰に歯止めがかからない状況です。BRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーでもピンクダイヤモンドを多数品揃えしていますが、販売後に同等程度のダイヤモンドを仕入れる事が出来る価格で販売しようと思うとどうしても販売価格を高く設定しなければならず、近い将来にピンクダイヤモンドは値上げをしなければいけない状況が来そうな感じです。現在のところ価格は維持していますので、ピンクダイヤモンドをご検討の方は是非早めのタイミングでお求めいただく事をお勧めいたします。
