涙の形に宿る永遠の輝き
ダイヤモンドのカットには多くの種類がありますが、その中でも一際優雅で個性を放つのが「ペアシェイプ（Pear Shape）」のダイヤモンドです。洋梨型とも称されるこのカットは、丸みを帯びた一方の先端から、シャープに尖った反対側へと緩やかに流れる曲線が特徴。まるで一粒の涙のような美しいフォルムは、ロマンティックで感情に訴える力を持ち、ジュエリーとして身に着ける人の想いを繊細に映し出します。
ペアシェイプの誕生と歴史的背景
ペアシェイプのカットの起源は、15世紀のベルギーにまで遡ります。1458年、ベルギーの研磨師ルドウィック・ヴァン・ベルケムが発明した「ドイブル・ローズ（双璧のバラ）」というカット技法が、その後のペアシェイプの礎となりました。（薔薇のつぼみをモチーフにした”ローズカット”）その革新的な研磨技術により、ダイヤモンドにより多くの面を与えることで光の反射が飛躍的に増し、まばゆい輝きを放つカットが誕生したのです。
ペアシェイプのダイヤモンドは、王侯貴族たちの間でも高く評価され、ヨーロッパの宮廷文化の中で特別な存在として愛されてきました。その理由は、美しさだけでなく、涙・愛・忠誠といった深い意味が込められたフォルムにあります。まさに「形そのものが語るジュエリー」と言えるでしょう。
フォルムがもたらす視覚効果
 |  |
ペアシェイプのもう一つの魅力は、フォルムがもたらす視覚的な効果にあります。先端から底部へと流れるラインは、縦のラインを強調するため、指をほっそりと長く美しく見せる効果があります。特にエンゲージリング（婚約指輪）として用いられる際には、シンプルなソリテールセッティングでも、指元にしなやかな印象を与えることができ、花嫁の手元をより優雅に演出します。
また、指輪にセットする際の向きによって印象を変えられるのも特徴の一つです。先端を指先側に向けるとクラシカルで繊細な雰囲気に、手元側に向けるとエッジの効いたモダンな印象に。左右非対称なフォルムだからこそ、個性を演出する自由度が高く、オーダーメイドとの相性も抜群です。
輝きと比率の美しさ
ペアシェイプ・ダイヤモンドの輝きは、ラウンドブリリアントカットと同様に58面体でカットされており、光の反射を最大限に引き出すよう設計されています。ただし、その美しさを最大限に引き出すためには「プロポーション（比率）」が非常に重要です。
一般的に、縦横の比率は1.45～1.75程度が理想とされ、これは見た目のバランスと指へのなじみ方に大きく関わります。また、先端の尖りすぎや丸すぎも全体の印象を左右するため、熟練の研磨師による高度な技術が求められます。
品質を選ぶ際には、カットの精度だけでなく、クラリティ（内包物の有無）やカラーも重要な判断基準になります。特にペアシェイプは尖った先端にインクルージョン（内包物）が集中しやすいため、透明度の高いダイヤモンドを選ぶことで、その美しさがより引き立ちます。
現代のスタイルに寄り添う個性
ペアシェイプのダイヤモンドは、そのクラシカルな魅力に加えて、現代的なファッションやジュエリーデザインにも柔軟にマッチします。ミニマルなデザインに一点だけ配置されたペアシェイプは、洗練された印象と同時に、身に着ける人のセンスを際立たせてくれます。
また、Z世代をはじめとする若い世代からも、「他の人とかぶらない」「個性がある」「感情や意味を大切にしたい」といった価値観の広がりにより、ペアシェイプの人気は再燃しています。形にこめられたストーリー性や、クラシカルとモダンが共存するデザイン性は、まさに今の時代にふさわしいジュエリーと言えるでしょう。
Teardrop diamond ”morning dew in may” Ring
最後に：涙の形にこめられた愛の証
ペアシェイプ・ダイヤモンドは、見た目の美しさだけでなく、その形がもつ深い象徴性、そして身に着ける人に寄り添うデザイン性によって、時代を超えて愛されてきました。特別な想いを込めるジュエリーにふさわしいカットとして、婚約指輪や記念日のプレゼントなど、人生の節目に選ばれています。涙の形に宿るのは、喜びの涙、感動の涙、そして愛の涙。そんな特別な瞬間にふさわしい一粒の輝きが、ペアシェイプにはあります。自分らしさを大切にしながら、時を超えて受け継がれる美しさを手にしたい方に、ぜひ婚約指輪に選んでいただきたいダイヤモンドカットです。
ブリッジ銀座AntwerpbrilliantGalleryは、天然ダイヤモンドを使用した高品質なプロポーズリングや、東京銀座で人気のブランドAntwerpbrilliant・BRIDGE・infinityloveを取り揃えたブライダルセレクトショップです。
comment